クンクン…。クンクン…。ワン!ワンワン!(犬)
(ベランダの外から)-----開けて欲しいんだワン!開けないとタイホするんだワン!
Little Mustapha-----あれ?今年もやって来たのか。犬サンタ君。
犬サンタ-----どうでも良いから開けるんだワン。大事な話があるんだワン!
Little Mustapha-----はいはい。今開けるから。
犬サンタ-----はぁ…。今日は寒くて凍えそうだワン。やっぱりここは暖かくて居心地が良いんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----どうでも良いけど。まず何から聞いたら良いんだ。
ミドル・ムスタファ-----まず、その格好の理由が解ればその他のことも解りそうな気もしますが。
犬サンタ-----今日は犬のお巡りさんなんだワン!
Little Mustapha-----それお巡りさんだったのか。てっきり、なんとかラモンHGかと思ってたけど。
ミドル・ムスタファ-----というか、今日はあんまりヒネってない感じですね。
ニヒル・ムスタファ-----毎年ネタを考えるのも大変だからな。
犬サンタ-----何を言ってるのかワン?これはネタじゃなくて、ちゃんとしたお巡りさんなんだワン。
Dr. ムスタファ-----それじゃあ、丁度良い。さっき泥棒に鶏の唐揚げを半分盗まれてしまったんだ。逮捕して取り返してくれないか?
ニヒル・ムスタファ-----先生はひねり揚げで満足だったんじゃないのか?
Dr. ムスタファ-----だが、二個あるはずのものが一個なのは納得がいかんからな。
犬サンタ-----それは大変だワン!一体どんな動物だったかワン?
Dr. ムスタファ-----さっきも言ったように鶏だが。
犬サンタ-----鶏が鶏の唐揚げを盗んだのかワン?
ミドル・ムスタファ-----そうじゃなくて、盗んでいったのは動物じゃなくて泥棒サンタですよ。
犬サンタ-----それじゃあ、それは人間の警察に頼んだら良いんだワン。犬のお巡りさんに人間の泥棒の事を頼むなんて、お門違いもはなはだしいんだワン!アハハハハだワン!
Little Mustapha-----なんか馬鹿にされちゃったけど。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、さっき大事な話があるとか言ってなかったか?
犬サンタ-----何のことかワン?
ニヒル・ムスタファ-----もう忘れたのか?
犬サンタ-----アッ、そうだったんだワン。ところでLittle Mustaphaはちゃんとビーフジャーキーを買ってきてあるのかワン?
Little Mustapha-----なんでそこから確認するのか?って感じだけど。まあ、なんとなく予想はしてあったから、買ってあるんだよね。
犬サンタ-----よろしい。それじゃあ大事な話をするんだワン。今日はここを捜査本部にすることに決めたんだワン!
Little Mustapha-----なんの捜査?!というか、もしかしてビーフジャーキーがあることを確認してから決めてない?
犬サンタ-----そんなことないんだワン!今日は泥棒猫の捜査をするんだワン。
一同(犬サンタ除く)-----泥棒猫?!
犬サンタ-----そうだワン。
ミドル・ムスタファ-----こんなところで捜査なんかできるんですか?
犬サンタ-----外は寒いし、ここが良いんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----なんか遊びに来ただけみたいな気もするよな。
Little Mustapha-----というか、その衣装を見せに来ただけとか。
犬サンタ-----信じないならそれで良いけど、ご主人様には言いつけるワン。
Little Mustapha-----いや、それは困るけど。猫でもハトでもなんでも捜査して良いよ。
ミドル・ムスタファ-----それよりも、泥棒猫って。犬サンタ君がわざわざ捜査するほどのことなんですか?
犬サンタ-----犯行予告があったんだワン!
Dr. ムスタファ-----猫なんて欲しいものがあったらなんでも勝手に持っていくから、常に犯行予告しているようなもんだけどな。
Little Mustapha-----でも最近の猫は野良ネコなのに人間からエサを貰ってばっかりだからね。そういう狡猾さはなくなってるようにも思えるよ。
ニヒル・ムスタファ-----そうなんだよな。しかもたまにキャットフードとかじゃなくて、生の鶏肉とか魚とかあげてる人いるよな。
Dr. ムスタファ-----なんだ。人間よりも贅沢だな、それは。
ニヒル・ムスタファ-----先生はひねり揚げの方が大事なんだけどな。
犬サンタ-----鶏肉は骨があるから食べちゃダメ、って言われてるんだワン。でもササミジャーキーは安全だしヘルシーだからオッケーなんだワン!でも私としてはやっぱりビーフジャーキーが好きなんだワン!
ミドル・ムスタファ-----何の話だか解らなくなってきましたよ。
犬サンタ-----そうだったワン。野良ネコの事なんてどうでも良いんだワン。泥棒猫に気を付けろ!なんだワン。
Little Mustapha-----でも、さっき犯行予告があったとか言ってたけど。それだったらここじゃなくて、その予告された場所にいないといけないと思うんだけど。
犬サンタ-----まだ時間じゃないから大丈夫なんだワン。それにここにいてもちゃんと捜査はできるんだワン。
Little Mustapha-----良く解んないけど、それで良いか。それよりも犬サンタ君。この場所を捜査本部として提供するってことは、それなりの見返りもあるって事だと考えてよろしいのかね?
犬サンタ-----何のことかワン?
Little Mustapha-----だから、毎年恒例のあのアレだよ。キミの家の水道の蛇口からでてくるっていう。
犬サンタ-----ああ、サンタの酒のことかワン?それなら用意してないこともないんだがワン。あげるかどうかは、泥棒猫を捕まえられるかどうかにかかってるんだワン。だからみなさんも協力するんだワン。
Little Mustapha-----えぇ…。まあ良いか。じゃあ、それまでは人間の国の普通の酒を飲むか。
マイクロ・ムスタファ-----あの…、ちょっと良いですか。
ニヒル・ムスタファ-----なんだ?キミがなんか言うとドキドキするんだが。なんか異変があったのか?
マイクロ・ムスタファ-----いや、そうではなくて。その泥棒猫っていうのは、クリスマスやサンタなんかとは関係ないんですよね?
犬サンタ-----泥棒猫はいつでも泥棒猫だワン。
Little Mustapha-----その説明じゃイマイチ解らないけど。まさか泥棒猫が盗むのがサンタの持ってるプレゼントとか、そういう事じゃないよね?っていう確認でしょ。
マイクロ・ムスタファ-----そうです。
ミドル・ムスタファ-----泥棒猫の犯行予告ではなんて言ってたんですか?
犬サンタ-----それは知らないワン。何を盗むか解ってたら簡単に捕まえられるんだワン。
Little Mustapha-----そうなの?!てっきりルパン三世みたいなことだと思ってたけど。でも予告するだけマシか。
Dr. ムスタファ-----大泥棒ならぬ中泥棒か。
ニヒル・ムスタファ-----それは良いんだが、結局サンタのプレゼントが安全かどうかは解ってないんだよな。
ミドル・ムスタファ-----そういえばそうですね。犯行予告はしているんだし、何かが盗まれようとしているのは確かなんですけど。
Little Mustapha-----ならば我々のプレゼントは?長年待ち続けていた我々のプレゼントは?それを知るまで気が気でならぬ!
犬サンタ-----なんか変な喋り方だワン。でも安心するんだワン。その前に私がちゃんと捕まえるんだワン!
ニヒル・ムスタファ-----まあそれなら良いけどな。
Little Mustapha-----だいたい、人間の泥棒は捕まえないって言ってる犬サンタ君が捕まえようとしてる泥棒猫だからな。
ミドル・ムスタファ-----余計なことを心配してしまいましたかね。
マイクロ・ムスタファ-----私もちょっと神経質になっていたかも知れません。
Little Mustapha-----じゃあ神経質になったところで、飲み直しだな。
ミドル・ムスタファ-----また乾杯なんですか?
Little Mustapha-----だって、乾杯すると一杯目みたいで美味しく感じるから。
ニヒル・ムスタファ-----そんなワケないだろ。
Little Mustapha-----まあ、そうした方が次のページに行きやすいし。じゃあ、行くよ。せーの…!
一同-----メ・ク(だワン!)
なぜかメリークリスマスを極限まで省略した乾杯でしたが、みんなで乾杯したところで一区切り。