その方向には進めなさそうです(「Fallout3」より)
Dr. ムスタファ-----なんか作戦はないのか?今日は電撃銃も電波銃も持ってないぞ。
ニヒル・ムスタファ-----懐かしいアイテムの名前を出してる場合じゃないぜ。バットとか包丁とか、なんでも良いから武器になるものを探した方が良いんじゃないか?
Little Mustapha-----そんなもので対処出来るとは思えないけどね。こうなったらトイレの扉を使うしかないよ。トイレに入って出て、異次元世界へ避難だよ。
犬サンタ-----それは名案だワン!私がいるから異次元世界でも多少は融通が利くワン。
ミドル・ムスタファ-----もう時間がないですから急ぎましょう。
Little Mustapha達は慌てて部屋を出てトイレに駆け込みました。そして、すぐにトイレから出てきます。異次元世界への扉も兼ねているこの家のトイレの扉なので、出てきた時には別の次元だと思われたのですが、出てきたのはさっきと同じ部屋のようでした。
Little Mustapha-----あれ?さっきまでの部屋だぞ。
Dr. ムスタファ-----どういうことだ?トイレに行ったら安全じゃなかったのか?
ニヒル・ムスタファ-----それよりも12時まで一分切ってるぜ。大丈夫なのか?
Little Mustapha-----ダメだ。窓から見ると外には大量の恐怖サンタ達が…。
犬サンタ-----なんて事かワン…。次元の扉は不確定要素だから、常にそこにあるとは限らなかったんだワン…。
ミドル・ムスタファ-----そんな説明をされても…。
マイクロ・ムスタファ-----もう時間です。
Little Mustapha-----こうなったら最後の手段だ。みんな、隠れろ!
一同-----オー(だワン)!
時には逃げるよりも隠れる方が良い。情けない感じかも知れないですが、戦うだけが正解ではないのです。じっと隠れてやり過ごす。これが一番効果的な時もあるのです。
しかし、何かに怯えながら隠れている時間は長く感じられます。もうすでに12時になって外にいる恐怖サンタ達がなだれ込んできてもおかしくないのですが、物音一つしません。
嵐の前の静けさなのでしょうか?Little Mustapha達はゴクリとつばを飲み込んでその時を待ちました。
それでも何も起きないので、もう一度ゴクリとつばを飲み込みました。ゴクリ。またゴクリ。
緊張して口の中が乾いていたので、飲み込むつばも出てこなくなってきます。これは流石に変だと一同が気付き始めました。
ニヒル・ムスタファ-----なあ、もう10分は経ってるよな?
ミドル・ムスタファ-----そうですね。なんかずっと隠れてると背中とか痛くなってきましたが。
Dr. ムスタファ-----なんだ、私のデジタル時計によると、もう12時20分だぞ。
Little Mustapha-----もう出ても大丈夫なのかな。
犬サンタ-----お利口さんのマイクロ・ムスタファに聞いてみたら良いんだワン。
マイクロ・ムスタファ-----私には良く解りませんが。多分大丈夫じゃないでしょうか。
押し入れやタンスなど、各自が隠れていた場所からダラダラ出てきました。
Dr. ムスタファ-----一体何がどうなったんだ?
ミドル・ムスタファ-----神様みたいなのが現れて全て解決とか?
ニヒル・ムスタファ-----そんな都合の良い話はないと思うぜ。
Little Mustapha-----ねえ、ちょっと見てよ。窓の外がスゴい事になってるけど。
Dr. ムスタファ-----なんだアレは?
ミドル・ムスタファ-----門松に鏡餅に。あれはお年玉袋ですか?
ニヒル・ムスタファ-----ものすごい数が散乱しているな。
犬サンタ-----なんで急にお正月になったのかワン?
Little Mustapha-----もしかして、さっき同じ部屋に戻ってきたと見せかけて、実は異次元世界なんじゃないの?
犬サンタ-----それはないんだワン。私は仕事柄異次元世界に詳しいけど、ここはさっきと同じ人間の世界なんだワン。
ミドル・ムスタファ-----じゃあ、何が起きたんですかね。
マイクロ・ムスタファ-----これは推測でしかないのですが…。
Dr. ムスタファ-----なんだ?留守番電話か?
ニヒル・ムスタファ-----そんなビクビクするなよ。推測って言ってたぜ。
マイクロ・ムスタファ-----そうなのですが。もしかすると人工知能が学習したのは日本だけのデータだったのではないでしょうか。
ミドル・ムスタファ-----なんで日本のデータだとこうなるんですか?
マイクロ・ムスタファ-----日本のクリスマスで重要なのはどちらかというと、クリスマスイブの方ですよね。25日になったら、本当ならクリスマスのはずなのに、世間ではそんな事はすっかり忘れて年末気分、お正月気分が始まるんです。
Little Mustapha-----つまり、日本だけのデータを学習した人工知能にとって25日以降はサンタは存在しないってことになるの?
マイクロ・ムスタファ-----そんな感じかと。
ニヒル・ムスタファ-----じゃあ、外にあるお正月グッズは…。
マイクロ・ムスタファ-----存在できなくなったサンタ達が仕方なく姿を変えたのだと思われますが。
Dr. ムスタファ-----なんか科学なのかどうか解らん話だな。
犬サンタ-----ホントだワン。コンピュータの中のものが現実世界に出てきちゃうのも不思議なんだワン。
マイクロ・ムスタファ-----それを言われると私の理論は成り立たないのですが。
Little Mustapha-----まあタイムマシンだって、理論上は可能とか不可能とか色々言われてるんだし、それと一緒ってことにすれば良いんだよ。とにかく危機は脱したんだし。アッ…。
ミドル・ムスタファ-----どうしたんですか?
Little Mustapha-----さっきのマイクロ・ムスタファの推測が正しいとすると、リコール社に雇われたサンタも日付が変わったら仕事してないんじゃないの?
Dr. ムスタファ-----だが我々はまだプレゼントを貰ってないぞ。
Little Mustapha-----そういうことなんだよ。
ミドル・ムスタファ-----またですか。
ニヒル・ムスタファ-----そういうことらしいな。
犬サンタ-----みなさん、ガッカリしちゃいけないんだワン。それじゃあ、みなさんを元気づけるために、特別にサンタの国のサンタの酒をあげるんだワン!
一同(犬サンタ除く)-----ホントに!?ヤッター!
Little Mustapha-----というか、今日はサンタの酒に関して厳しかったのに、急に優しいんだな。
犬サンタ-----優しいのはいつものことだワン。
Little Mustapha-----いや、何かがおかしい。
犬サンタ-----な、なんでもないんだワン。
ミドル・ムスタファ-----うわ、なんですかこれ?こんなところに犬フンが!
Little Mustapha-----フフフ。やっぱりな。
犬サンタ-----ごめんなさいだワン。さっき恐かったから思わず出てしまったんだワン。
Little Mustapha-----まあ仕方ない。サンタの酒と引き替えにこのコロコロウンコをあの忌まわしきトイレへ!その記憶とともに全て洗い流すのだ!
犬サンタ-----また変な喋り方だワン。
Little Mustapha-----とにかくウンコ片付けたら乾杯だからね。トイレに行くついでにバケツに水割り用の水も汲んでくるから。
ミドル・ムスタファ-----なんかトイレのついでだと汚くないのに汚いものに思えてきますけど。
犬サンタ-----細かいことは気にしないで楽しくしたら良いんだワン。
コロコロウンコを片付け終えて、サンタの国のサンタの酒で乾杯することになりました。サンタ酒のおかげで一同深夜までグダグダだったのですが、心のどこかではまだサンタがクリスマスのプレゼントを持ってやって来るのでは?という淡い期待を抱いていました。しかし、なにも起きることなく、一人、また一人と酔いつぶれて横になっていきました。
Little Mustaphaだけは長官の孫娘さんが犬サンタ君を迎えに来るに違いないと思って、最後まで頑張っていたのですが、力尽きて眠ってしまったすぐあと、長官の孫娘さんが部屋に入ってきました。
長官の孫娘さんは犬サンタ君を見ていてくれたお礼に追加のサンタの酒を机の上に置くと、そのまま音も立てずに部屋を出て行きました。
こうしてまた、プレゼントの貰えないクリスマスは過ぎていったのでした。
ということで、今年もやってしまったクリスマス大特集。なにを特集しているのか?というと、なんでもない感じですが、サンタだし、クリスマスだし、そういうものの特集なのです。
そして、今年は1月にいきなりちゃんと大特集して、良いスタートだと見せかけて、結局ほとんど更新されなかったBlack-holicでもありますが。なんかリアルタイムなコンテンツが世の中にあふれている感じで、こうやってじっくり書くのがダメ、とまでは行かないけど、なんかやる気になれない雰囲気があったり。
そんな言い訳もしたくなりますが、出来る限り頑張るのです。
それでは、ウィーウィーシュワシュワクリスマス!そしてハッピーニューイヤーです。