ウィーウィーシュワシュワクリスマス♪(良く流れてるあの歌より)
Little Mustapha-----それじゃあみんな。コップに汲んだ酒を掲げて準備を!乾杯の準備を!
ミドル・ムスタファ-----なんでそんな喋り方なんですか?
Little Mustapha-----いや。なんとなく。さっきの泥棒サンタが言ってたことが本当なら、いまごろは別のサンタがプレゼントを持ってこっちにやって来ているに違いないって感じだしさ。
ニヒル・ムスタファ-----わかったから。とにかく始めようぜ。
Dr. ムスタファ-----そうだな。喉が渇いてきたし。
Little Mustapha-----ということなら、さっそく。せーの…!
一同-----メリークリスマース!
Little Mustapha-----アーッ!
ミドル・ムスタファ-----どうしたんですか、いきなり?
Little Mustapha-----唐揚げが半分なくなってる!
Dr. ムスタファ-----まさか、さっきの泥棒サンタか?
ニヒル・ムスタファ-----やっぱり泥棒じゃないかよ。
ミドル・ムスタファ-----でも持ってる袋は特別なサンタの袋みたいでしたから。クセが出ちゃった、ってことですかね。
Little Mustapha-----クセとか言われても…。唐揚げ一人一個になっちゃったよ。
Dr. ムスタファ-----もとから一人二個ずつしか買ってなかったのか?
Little Mustapha-----だって、唐揚げって作ってあるの買うとけっこう高いし。でも唐揚げだけじゃ足りないって人のためにひねり揚げを大量に買ってあるからね。
Dr. ムスタファ-----ひねり揚げがあるなら大丈夫だ。最初からそう言ってくれたら良いんだ。
ニヒル・ムスタファ-----なんでひねり揚げで納得するのか解らないが。それよりも、大丈夫なのか?現金とかカードとか。盗まれてんじゃないか?
Little Mustapha-----それなら大丈夫だよ。全部財布に入れてあるし。財布ならここに…。ほら。
ミドル・ムスタファ-----そんなところにあったんですか?
Little Mustapha-----そうなんだよ。目の前にあると気づかない場所っていうのは大事なものをしまうのにも有効なんだよ。
ニヒル・ムスタファ-----そうじゃなくて散らかりすぎて気付かないだけだろ。
Little Mustapha-----散らかってるのはこの部屋全体だし、それとこれとは関係ないんだよ。それよりも、目の前にあると気付かない場所ついでに、気になってきたことがあるんだけど。財布の隣にあるリモコンだけど。これはどうすべきでしょうか、マイクロ・ムスタファさん。
マイクロ・ムスタファ-----やっぱりそれは私が言った方が良いんですか?
Little Mustapha-----その方が説得力あるし。
マイクロ・ムスタファ-----それじゃあ、テレビを見て世の中で起きている事を調べてみましょう。さっきのサンタが元泥棒だったりして、すこし様子が変ですからね。
Little Mustapha-----ということで、目の前にあると気付かない場所にあるテレビのリモコンを…と見せかけて、AVアンプのリモコンに付いている外部機器操作用のボタンをピッ!
ニヒル・ムスタファ-----そんなに詳しく説明する必要あるのか?
Little Mustapha-----だって、テレビのリモコンが調子悪いって知らない人のためにさ。どうしてAVアンプのリモコンなんて使うのか?って気になったりしたら良くないし。
ミドル・ムスタファ-----どうでも良いですけど、テレビ見ましょうよ。
テレビ-----「はい!こちら現場の人気女子アナ、ウッチーこと内屁端です。みなさん、ここがどこだか解りますかぁ?」
スタジオのキャスター-----ですから、都内で行われているクリスマスマーケットの会場ですよね?
内屁端-----全然違います!まずはこのヨーロッパのような光景を見て「まるでヨーロッパのようですね」と言わないと話が始まりません!
スタジオのキャスター-----っと、それは失礼しました。それでそちらはどのような様子でしょうか。まるでヨーロッパのようですが。
内屁端-----そうなんです!まるでヨーロッパの街並みなのですが、実はここ東京都内なんですよ!
スタジオのキャスター-----それは…、そうですか。沢山のお店が並んでいるようですね。
内屁端-----はい。こちらをご覧ください。ヨーロッパ風でクリスマスっぽい雑貨のお店ですね。そして、こっちにも、クリスマスっぽいものが売っています!アッ、見てください!これはスゴくクリスマスっぽくないですかぁ?
スタジオのキャスター-----とてもクリスマスっぽい会場でした。ここでいったんCMです。
Little Mustapha-----特になにも起きてなかったみたいだね。
ミドル・ムスタファ-----なんか泥棒事件が多発とか、そんなことかと思いましたが。
ニヒル・ムスタファ-----泥棒だったのはさっきのサンタだけってことだろうな。
Dr. ムスタファ-----地獄の沙汰も金次第、っていうしな。
ニヒル・ムスタファ-----それ、今の状況となんの関係があるんだ?
Little Mustapha-----まあ、しいて言えば、地獄のサンタも金次第とか?…とにかくちょっと物足りない感じもするけどね。こうなったらあとはサンタが来るのを待つだけって感じだし。こういう時にサンタの孫娘さん改め長官の孫娘さんがサプライズで登場したりすると良いんだけどねえ。でも、今年プレゼントが貰えるとなると、来年からはわざわざ集まる必要もないし、そうなってくるとボクと長官の孫娘さんと二人っきりでヌクヌク出来るってことだし。しょうがないから今年は我慢するかな。
ミドル・ムスタファ-----勝手に妄想して、勝手に譲歩したり。なんか気持ち悪いですよ。
ニヒル・ムスタファ-----そうだぜ。そういう妄想は一人の時にやってくれよ。
Little Mustapha-----でも一人でやると危険な妄想になってくるからね。みんながいる時にやった方が安全だし。
ミドル・ムスタファ-----それって私達が迷惑ですよ。
Little Mustapha-----まあ、クリスマスなんだし。
ニヒル・ムスタファ-----それは関係ないだろ。それはともかく、確かにヒマな感じがあるよな。サンタが来るのを待ってるだけっていうのは。
ミドル・ムスタファ-----街もクリスマスっぽくて、平和な感じでしたからね。
Little Mustapha-----じゃあボクらもクリスマスっぽくしたら良いんじゃない。
Dr. ムスタファ-----クリスマスっぽいって、どうやれば良いんだ?
Little Mustapha-----なんていうか、ウィーウィーシュワシュワって歌ったりとか。
ミドル・ムスタファ-----なんの歌だか全然解りませんけど。
Little Mustapha-----なんか、良く流れてるあの曲だよ。
ニヒル・ムスタファ-----というか、唐揚げ一個とひねり揚げで酒飲んでるとか、全然クリスマスっぽくないぜ。
Little Mustapha-----でも酒飲んで楽しくしてたらクリスマスってことなんだし。つべこべ言わずにもう一回乾杯したら良いんだよ。
ミドル・ムスタファ-----何でそうなるんですか?
Little Mustapha-----どっちにしろ飲むんだし、どうでも良いんだよ。それじゃあ、行くよ。せーの…。
マイクロ・ムスタファ-----あの、ちょっと待ってください。
ニヒル・ムスタファ-----なんだ?まさか留守番電話か?
マイクロ・ムスタファ-----いや、そうじゃなくて。誰か来たみたいですよ。ベランダの方から。
Dr. ムスタファ-----まさか、もうサンタが来たのか?まだ心の準備が出来てないんだが。
ミドル・ムスタファ-----そんなものは出来てなくても。とにかくサンタだったらプレゼントを貰えば良いんですよ。余計な事はしないでくださいよ。
一同、少し緊張した様子でベランダへ出られる大きな窓の方を見ていました。