「歌と劇:プロフェシー」

13. (再び)さびれたデパートの外

スケアリーが警備をしている

モオルダア入場


モオルダア : ああ、ここにいたのか。どうやら予言者というのが曲者らしいぞ。

スケアリー : あら、モオルダア。どこにいらしてたんですの?あなたがいない間に、あたくしは尻尾が迷路になっているイヌと仲良くなってしまいましたわ。

モオルダア : なんだそれは?

スケアリー : どうもセレブの間で人気だってことですけど。でもあたくしが知らないのですから、インチキセレブの間で人気ってことですわね。

モオルダア : 全然意味がわかんないけど。それよりも、何かおかしなこととかなかったか?

スケアリー : 何もありませんわ。それで、あなたの言っていた予言者って何なんですの?

モオルダア : ほら、あそこにいる…。あれいなくなっちゃったなあ。まあいいや。ばあやが言うには、予言者が何か悪いことを企んでいるらしいんだけど…


モオルダアの携帯電話が鳴る。着信音はなぜかスキヤナーの歌のメロディーになっている


モオルダア : もしもし。

スキヤナー(声だけ) : おい、モオルダア!何をやっているんだ!

モオルダア : 何を、って。ちゃんと警備してますよ。

スキヤナー : その警備が間違っているんだ!例のテロリスト達は大手町方面へ向かっているらしいぞ!

モオルダア : マジですか?

スキヤナー : マジ、とか言うな!さっきエフ・ビー・エルに匿名の連絡があってな。最新テロリスト情報が手に入ったんだ。だからそんなところはどうでも良いから早く現場へ直行だ!

モオルダア : 解りました。すぐに向かいます。スケアリー!大変だ!今すぐ大手町へ行かないと。きっと予言者もそこへ行ったに違いない。

スケアリー : …えっ?なんですの?大手町?そんなことはどうでも良いじゃございません?それよりも、あそこにいるのはニコラス刑事様じゃございませんこと?ちょっとあたくし、挨拶してきますわね。あなたはその何とかとか言うところに行けば良いんですわ。あたくしも後から向かいますから。それでは。

スケアリー退場


モオルダア : ちょっと、待ってよ。大変な事なんだから!…まあ、いいか。とにかく大手町へ直行だ!

モオルダア退場


予言者入場


予言者 : やっぱりあのばあやが私のジャマをしていたようですね。しかし私の力を見くびっているようです。予言者は全てお見通し。私のジャマをすればどんなことになるか、すぐに思い知るでしょう。


通行人2入場


通行人2 : 未来の王様、バンザイ!

予言者 : おお、おまえか。何事だ?

通行人2 : 姫様のイベントがもうすぐ始まるということです。

予言者 : そうか。それなら急がなくてはいけないな。その前に私はやることがあるのでな。おまえは先に行って準備を進めているがよい。偽りの通行人、そして偽りのテロリストよ。

通行人2 : かしこまりました、未来の王様!未来の王様、バンザイ!

通行人2退場


予言者 : 私の時代もすぐそこまで来ているようだな。

予言者退場