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#196 「根源」 2021-12-24 (Fri)

 本物のLittle Mustaphaの家と思われていた場所で何が起こっていたのか。それはだいたい解ってきましたが、Little Mustapha達はこれからどうすれば良いのでしょうか?

 サンタの孫娘さんによると、Little Mustapha達のいる場所は家のようには見えるけど、ドアや窓は見せかけのもので、実際にはどこからも人が出入りする場所はないということです。そこから抜け出すには転送装置を使うしかなさそうですが、今はシールドによって建物が守られているために転送装置は使えないのです。

サンタの孫娘-----今こちらでどうするか考えています。ですから、みなさんは絶対にあのアンドロイドのいうことは聞かないでください。そして、Little Mustaphaは絶対にトイレのドアを開けないでください。

Little Mustapha-----うん、もちろんだとも…。

ミドル・ムスタファ-----あれ、なんか変なテンションですね。

サンタの孫娘-----なんですか?気になることがあるのなら言ってください。

Little Mustapha-----なんていうか、不思議な感覚なんだよね。いつもなら今の説明を聞いて、大変な事になっていると気づいて、絶対にトイレのドアは開けないってことになるんだけどさ。本当にそれでイイのかな?って思って。

サンタの孫娘-----どういうことですか?私の言うことが信じられないのですか?

Little Mustapha-----信じてないワケじゃないし、説明も理解出来たよ。だけど、あのトイレに置かれているウンコは正しい事のために置かれたウンコなのか。それとも悪いことのために置かれたウンコなのか。

サンタの孫娘-----だから言ったじゃないですか。トイレを使わせないためにああしたって。

Little Mustapha-----それを正しい事だと信じるための証拠が欲しいと思ったんだよ。

サンタの孫娘-----証拠って…。これまで私達がしてきた事を忘れたんですか?

Little Mustapha-----そうだけど。ボクにはなぜかサンタの孫娘さん達も、コマリタにも同じような何かを感じるんだ。どっちも間違っていないような、そんな気がしてくるんだよ。

ニヒル・ムスタファ-----おい、なんかおかしな事を言ってるぜ。

ミドル・ムスタファ-----まさかコマリタに洗脳とかされてるんじゃないですか?

Little Mustapha-----コマリタは人を洗脳するほど喋らないけどね。いや、多分気のせいだから心配しないで。まだ自分の失敗を認めたくないとか、そんなこともあるかも知れないからさ。トイレは絶対に開けないから大丈夫。

サンタの孫娘-----本当にお願いしますね。彼らが次元の扉を手にしたらどうなるのか。大群で攻めてくれば人類などひとたまりもないでしょう。でも、それよりも恐ろしいのは彼らが扉の力を使って人類を意識の中から支配してしまうこと。人は人でない何かに変えられてしまって、彼らの思いどおりに動かされることになるでしょう。ですから、あの扉だけは守らないといけないのです。

 サンタの孫娘さんはLittle Mustaphaの発言が心配でした。夢の中と全く同じ家にいることが彼の何かを狂わせているのではないかとも思いましたが、今はLittle Mustaphaが間違いを犯さないように祈るだけでした。

 そんなことをしていると、またテレビが勝手に点きました。さっきはサンタの孫娘さん達が遠隔操作で点けたのですが、今回は違うようです。

 テレビに映っているのは相変わらずクリスマス特番ですが、映されている光景は少し異様です。

 服が所々破けていたり、髪の毛がボサボサで顔には少し傷があったりする内屁端と亜毛屁端が並んで、神妙な面持ちでカメラに向かっていました。


内屁端-----みなさま、先程お見苦しい場面があったことを心よりお詫びいたします。せっかくのクリスマス特番で、このクリスマス・マーケットをパクったイベントの関係者にも沢山の協力をしていただきました。またクリスマスを楽しく過ごすために番組を見ていただいた方も沢山いたと思います。それにも関わらず私の身勝手な行動で沢山の迷惑をかけてしまいました。本当に申し訳ありません…。

亜毛屁端-----申し訳ありません…。

内屁端-----それから、この場を借りて、私は亜毛パンにも謝りたいと思います。亜毛パン、私いつも亜毛パンの才能に嫉妬していて、それで辛く当たったりしてたの。許してね亜毛パン。

亜毛屁端-----ウッチー先輩。私こそ、もっと素直になれたらと思っています。本当はウッチー先輩に色んな事を教わりたかったのに。ごめんなさい。

内屁端-----亜毛パン…。

亜毛屁端-----ウッチー先輩…。

Dr. ムスタファ-----なんだこれは?ボロボロの二人が抱き合って。茶番も良いところだな。

ニヒル・ムスタファ-----先生、そんなことを言ってる場合じゃないと思うぜ。この二人が仲良くなったってことは…。

マイクロ・ムスタファ-----マズいことがあるかも知れませんね。


 その時、部屋の中で何かの声がしました。それはコマリタの声に似ていましたが、コマリタはここにはいません。そして、コマリタとは少し違った声でした。


謎の声-----どうでもイイですが、夜も更けてきたので明かりを消します!


 その声がそう言った後、部屋の明かりが消えました。


ミドル・ムスタファ-----なんですか?急に暗くなりましたよ。

Dr. ムスタファ-----大丈夫か?逃げなくて良いのか?

ニヒル・ムスタファ-----どこにも逃げられないって、さっき言ってただろ。


 部屋の中はちょっとしたパニック状態に陥りました。