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#196 「根源」 2021-12-24 (Fri)

やっとクリスマスイブ

 こぞった諸人がすっかりシュワシュワしている今日はクリスマスイブ。今年こそはプレゼントが貰えると思っているLittle Mustaphaの期待は最高潮に達しています。まだ他の主要メンバー達は今年のクリスマスがどんなものになるのか知らないはずなので、早くその事を伝えたいとも思っていました。

 夕方になってそろそろクリスマス・パーティーが始まる時間です。といっても、今年も世の中が面倒な状況なのでリモートでのパーティーです。なので、いつ始まるともなく、ダラッとした感じでパソコンの画面上に主要メンバーが一人、また一人と登場してきました。


Little Mustapha-----やっとDr. ムスタファが登場したので、そろそろ始めようか。

Dr. ムスタファ-----いや、すまんね。このビデオでやるのは何度やっても良く解らん。

ニヒル・ムスタファ-----まったく科学者らしくない発言だな。

Dr. ムスタファ-----科学とビデオは違うぞ。

Little Mustapha-----それって、合ってるのかどうか良く解らない発言だけど。そんなことは良いから早く始めようよ。今年のクリスマスは20周年にふさわしい素晴らしいものになるはずだからね。

ミドル・ムスタファ-----その前に気になることがあるんですけど。昨日送り主の書いてない荷物が届いてたんですけど。あれってあなたが送ってきたんですか?20周年記念とか書いてあったし。

ニヒル・ムスタファ-----ああ、オレのところにも来てたな。アレ何なんだ?

Dr. ムスタファ-----変な機械が入ってたぞ。ビールのセットが送られて来たのかと持ったんだが、ちょっとガッカリだな。

Little Mustapha-----ボクは送ってないよ。でも今の話からすると何が送られて来たのか、というのは良く解る気がするね。Dr. ムスタファはすでに開けたみたいだけど、他のみんなはまだ開けてないの?

ミドル・ムスタファ-----宛名も送り主も書いてないですし、変なものだったら怖いですからね。

ニヒル・ムスタファ-----一体何が入ってるんだ?

Dr. ムスタファ-----こう、なんていうか。お道具箱みたいな大きさで、液晶画面が付いててスイッチが付いてて。…そういえばLittle Mustaphaの部屋にこんなのがあったな。

Little Mustapha-----そのとおりです!多分みんなのところにも同じものが送られて来てるはずなんだよ。ボクなんかすでにそれを使ってこのパーティーに参加してるんだけど。その機械っていうのはボクが去年作った「悪魔デバイス」の改良版。AD-2021、悪魔デバイス・ポータブルなのです!

ニヒル・ムスタファ-----ってことはキミが作ったのか?

Little Mustapha-----それが違うんだよね。そして、それこそが今年のクリスマスを特別なものにしてくれる機械なのですよ。

ミドル・ムスタファ-----なんかミョーにニヤニヤしてますが。ホントに大丈夫なんですか?

Little Mustapha-----まあ、説明するけどね。それは未来の世界で作られた進化版の悪魔デバイスなんだよ。未来からの使者、コマリタ・ナラ・ズイルベーによると、その機械を使えばクリスマスのプレゼントは確実に貰えるってことなんだよね。

ニヒル・ムスタファ-----全然意味が解んないぜ。未来からの使者ってなんだよ?まさか誰かに騙されてないか?

Little Mustapha-----そんなに簡単に騙されないよ。そのコマリタってのは、ボクが制作中のデジタル・アシスタント、パコリタ・ナラ・ズイルベーが未来の世界で進化した最新版なんだよ。ボクが作ってるということは、基本的に自分のためだけに動作するように作るよね。それが進化してボクのために何でもしてくれるようになれば、未来の世界からボクらのために良いものを持ってくることだって十分にあり得るってことだよ。…というか、今のフレーズはウルトラマンの歌みたいだったね。

ミドル・ムスタファ-----そんなことはどうでもイイですよ。その前に未来からやって来るとか、怪しすぎませんか?

Little Mustapha-----そこは理屈ではない、ってところだよ。これまでだってクリスマスになると、この世界とは別のところからモンスターがやって来たりしてたし。それに、ボクの部屋にある異次元世界とつながっているというトイレの扉のこともあるし。常識では説明出来ないことは山ほどあったでしょ、あの部屋の周辺では。

ミドル・ムスタファ-----うーん…。

Little Mustapha-----それに、考えてみれば悪魔デバイスって、元々はサンタの孫娘さん達の組織がボクに作らせたものだからね。去年のクリスマスには悪魔デバイスも活躍したことだし、この悪魔デバイス・ポータブルだって、何か使い道があるはずだし。そして、上手くいけば、というか上手くいかないワケはないんだけど。ボクらはとうとうサンタからプレゼントが貰えるんだよ。

ニヒル・ムスタファ-----まあ、一応筋が通ってるようには聞こえるんだが…。

マイクロ・ムスタファ-----あの…、ちょっと良いですか?

Little Mustapha-----オッ…。ここでやっとマイクロ・ムスタファが何かに気付いたようですよ。でも、きっとこれはみんなが思っていることとは違うはず。

マイクロ・ムスタファ-----そんなことを言うと話しづらくなりますけど。なんとなく気になっていたのですが、あなたの後ろに映っている部屋なんですが…。

Little Mustapha-----やっと気付いてくれたね。それこそが、ボクがこれほどまでに確信を持っている理由なのですよ!というか、その説明をする前に乾杯音頭をやらないと。

Dr. ムスタファ-----ああ、そうだな。パーティーが始まってるのに全然飲んでないから調子が出ないぞ。

Little Mustapha-----それじゃ、悪魔デバイス・ポータブルの説明書に従って、今回はみんな悪魔デバイス・ポータブルを使ってリモート・パーティーにするからね。それじゃあ、乾杯と同時に悪魔デバイス・ポータブルの電源を入れて、パーティー開始といくよ。

マイクロ・ムスタファ-----本当に大丈夫なんでしょうか…?

Little Mustapha-----すでに悪魔デバイス・ポータブルを使っているボクが言うんだから大丈夫!それじゃ、各自コップに酒を汲んで…。行きますよ。せーの…!

一同-----メリー!クリスマース!!


 本当に大丈夫なのか?それが解るのは未来の世界の人だけかも知れません。