薄暗く薄暗く
Little Mustapha-----どういうことだ?あんなにクリスマスっぽい雰囲気で登場して、これなら間違いないって思ったのに。肝心のプレゼントが間違ってるよ。
ニヒル・ムスタファ-----リクエストした内容と全然違うものだしな。
ミドル・ムスタファ-----まあ、私は野球盤をリクエストしていたので、少しはかすった感じですけど。
Dr. ムスタファ-----それもたまたまじゃないのか?
Little Mustapha-----マイクロ・ムスタファは万年筆ってことで、キャラには合ってるよね。
マイクロ・ムスタファ-----そうですが、今はそこを考えても埒が明かない気がします。それよりもこれらのプレゼントもやっぱり良くあるクリスマスのプレゼントっぽいという感じがして、そこが気になりますね。
Dr. ムスタファ-----それってまさか、我々のリクエストがクリスマスっぽくないから、リクエストには応えられないってことなのか?
ミドル・ムスタファ-----そんなことはないんじゃないですか。これまでそんな理由で貰えないなんてことはなかったですからね。しかもすぐ目の前まで来ていたことだって何度かあったんですから。
Little Mustapha-----でも、これでお終いじゃないってところが救いだと思うよ。これって別に貰ったとしてもリクエストしたものとは違うからね。まだリクエストする権利は失ってないってことだし。
ニヒル・ムスタファ-----そうだったな。一度貰ったものは二回目のリクエストは出来ないってルールだったが、そうじゃないからな。
ミドル・ムスタファ-----ただ、途中で問題も起こらずに上手くいくクリスマスがこの先にあるかどうか。
マイクロ・ムスタファ-----そこなんですが。やっぱり今日のこれまでのことは何かがおかしいという気がしてきましたよ。
犬サンタ-----やっぱり呪いのせいなんだワン。
マイクロ・ムスタファ-----そういうことではなさそうですが。まあ大きな視点では何かの呪いと言えなくもないかも知れません。
いったい何が起きているのか。今年のクリスマスは何かが変だ。いや、これまでだってずっと変だったのだが、今年は変の種類が変だ。
ここでそろそろクリスマスマーケットやその周辺の街で何かが起きるんじゃないか?と思ってしまいそうだが、ここはそれとは違う場所。テレビ局の応接室に偉い人たちが集まって何やら薄暗い雰囲気を出していました。
テレビ局の偉い人-----まったくもって、デジタル写真集とは上手いことを考えましたな。
通信事業者の偉い人-----なに、それ自体は目新しいものではないがね。肝はどのように売るのかということだよ。
テレビ局の偉い人-----そんなアイディアをうちの元女子アナが持っていたとは。手放してしまったのは惜しいことをしましたな。
通信事業者の偉い人-----そんなこともないではないか。あの横屁端という女。昔の恩義があるから提携するならキミのところでと。なかなか出来た女だよ。
テレビ局の偉い人-----しかし、長年この業界で働いてきましたが「ウンサー」とやらの存在には全く気がつきませんでしたな。
通信事業者の偉い人-----そこにビジネスのチャンスがあるのだよ。すでに知られていたら価値はないからね。キミと手を組んで貴重なウンサーが手に入るようになったのは素晴らしいことだよ。
テレビ局の偉い人-----それを儲けに変えられるのはあなたの手腕ですから。これからも何とぞご贔屓に。
通信事業者の偉い人-----時にキミ。今のところクリスマス特番は順調に進んでいるようだが。
テレビ局の偉い人-----そこは少し気になりますが、心配ありません。今にウンサーが効力を発揮して…。
通信事業者の偉い人-----そうであったな。ウンサーの力を疑ってはいけない。イヒヒヒヒ…。
テレビ局の偉い人-----イヒヒヒヒ…。
応接室では腹黒い笑い声が静かに響き渡ったのである。