ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではLittle Mustapha達がテレビを見て盛り上がっていました。
Little Mustapha-----なんかスゴいことになってきたけど。
ニヒル・ムスタファ-----でも、これを見ていても色々なことの説明がつくような気はしないな。
Little Mustapha-----でもまだ中継が終わったワケじゃないし。
Dr. ムスタファ-----これ見てても、アイドル達がキレて罵声が飛び交ってるだけだぞ。なんだかこういうのは気分の良いものではないな。
ミドル・ムスタファ-----そんななかで亜毛パンはいち早く面倒から遠ざかって、もう姿が見えないですね。
Little Mustapha-----その辺は大女優ってことかな。でも、このテレビでの騒動の原因は亜毛パンって気もするけどね。
Little Mustapha達がどうでも良いことを分析していると犬サンタ君のiPad Proから怪しげなメロディーが流れてきました。それは最初の方で留守番電話機の着信音になっていたメロディーと同じものでした。
犬サンタ-----あ、弟子のモナミの犬ヘイスティングス君からメッセージだワン!読むから静かにするんだワン。
Little Mustapha-----はい。
犬サンタ-----「こっちは大混乱になってるってことはそっちも上手くいってるって事だバウ。忘れてるかも知れないけど、人形は人が持ってないと機能しないから誰かに持っていてもらうんだバウ」って事だワン。
ミドル・ムスタファ-----人形って言うのは呪いの人形の事ですかね。
Little Mustapha-----そういえばさっきは手に取って腹話術をやろうと思ったら喋り出したんだよね。それからずっと何もないけど。
犬サンタ-----そういえばそうだったんだワン。さっき途中の記憶が曖昧になっていたせいで、知ってるはずのことも忘れてしまうところだったんだワン。
Little Mustapha-----ちょっと、しっかりしてくれないと。
犬サンタ-----その人形はテレビに出てた腹話術の人形が捨てられそうになっていたものを我々調査局の人間が運良く手に入れて、それを参考につくった装置なんだワン。だけどまだ分析が完全じゃないから、腹話術みたいに持ってないと通信装置として機能しないんだワン。
Little Mustapha-----通信装置ってことは、さっき喋ったのは人形じゃなくて、人形を通して長官の孫娘さんが喋ったってこと?それは大変だ。長官の孫娘さん!略して長官さん!人形を持ってるから喋ってください!
ニヒル・ムスタファ-----長官さんじゃ別の人になるぜ。
Dr. ムスタファ-----お爺さんってことか。
人形-----「あ、通信が回復してる。みなさん大丈夫ですか?」
犬サンタ-----大丈夫だけど、どうやら私はAIの生成した変な世界のせいで記憶がゴチャゴチャになってしまっているんだワン!だから今日のことが上手く説明できないんだワン。
人形-----「やっぱりそうだったの。でも大丈夫だよ。犬サンタちゃんのiPadを光らせる作戦も上手くいってタイミングは正確だったの。怪現象の記録はちゃんと保存できたし、AIの作った世界を混乱させることにも成功しているみたい」
Little Mustapha-----なんだか良く解らないけど、多分上手くいってるのはボクのおかげかなあ。
人形-----「今のところはそうなんですが…。詳しく説明しているヒマはないのですけど。今回の騒動はいくつもある次元と次元の区切りが曖昧になってきているせいで起きているのです。テレビに映っていた撮り亜毛パンと呼ばれる人たち。あの人達は別の次元では兵士で、そして彼らが仕えているのは女王であるその次元の亜毛屁端さんということなのです」
Little Mustapha-----兵士としては頼りない感じもあるけど。まあ里梅屋さんの例もあるし、次元が違えば人の性質も全然違うってことだな。
人形-----「そして、その女王の兵士達の戦っている相手がAIの軍隊。そしてその軍隊を率いているのがその次元の内屁端さんであると思われます」
ミドル・ムスタファ-----そこは納得の展開ですね。
マイクロ・ムスタファ-----するとそのAIというのが今回この世界にも影響を与えたということでしょうか?
人形-----「それが、そうでもなさそうなんです。その戦争は今日起きたようなAIが生成した『ありがちな物事』とは関係がないようなんです。それとはべつに曖昧になった次元の境界線をこえて偶然に別次元の技術を手に入れる人が出てきているのかも知れません。テレビ局とスポンサーがウンサーを悪用したのもそういうことが原因にちがいないのです」
Little Mustapha-----なるほど。ところで、ウンサーって何なんだろうね?
ニヒル・ムスタファ-----そこは後でゆっくり考えれば良いんじゃないか。
人形-----「そうなんです。今はそれ以外に協力して欲しい事があるんです。本来ならこのいま通信に使っている人形を起動することで、中に充填されていたウンサーが放出されてAIの生成したものが崩壊していくはずでした。それは上手くいってこうして通信できるようにもなったのですが。観測を続けているとAIの作る『ありがちなこと』が再生し始めているようなのです」
Little Mustapha-----ウンサーが足りてなかったのかな。
人形-----「そこでみなさんの力が必要になるのです。AIの作り出したサンタに騙されなかったあなた達にいつものように宴会をしていて欲しいのです」
Little Mustapha-----そんなことなら頼まれなくてもやるつもりだったけど。
人形-----「それも出来るだけ異常な内容でお願いしたいのです」
ニヒル・ムスタファ-----オジサンがサンタにプレゼントをリクエストするだけで異常ってことだったからな。いつもどおりにやってればそれなりに異常なんじゃないか。
Little Mustapha-----そうだけどね。もっとイイ方法もあるよ!…これとかね」
ミドル・ムスタファ-----それは激辛ハラペーニョッカ…!
人形-----「あの、とにかく頼みました。犬サンタちゃんもがんばってね」
犬サンタ-----解ったワン!
Little Mustapha-----ということで、長官の孫娘さんの頼みとあったら断れませんので、ここからは激辛版クリスマスパーティーの始まり始まり!激辛で来年のプレゼント計画を考えようじゃありませんか!
ミドル・ムスタファ-----しかたないですね。
Little Mustapha-----それじゃあ、コップにハラペーニョッカを汲んで。せーの…!
一同-----メリー激辛クリスマース(だワン)!…うわぁ辛〜っ!