変化を求める
辛すぎるハラペーニョ入りウォッカのハラペーニョッカはほとんど減っていませんが、他の酒を飲んで良い具合に酔ってきたLittle Mustapha達。酔っていると時間は早く進み、今テレビをつけたら例のクリスマス特番もそろそろ始まっているという状況でしょう。
いつものように酔ってくると下らない話が続いてダラダラするのですが、今日は全員が少し落ち着かない感じです。その理由は簡単で、留守番電話に怪しいメッセージが残っているとか、どこからともなく誰かの声が聞こえてくるとか、そういうことが全く起きないからです。
これまでずっとサンタからプレゼントを貰えなかったのですから、いつもと違うということはプレゼントが貰えるということの前兆かも知れないのですが、こんなことはこれまでなかったことですし、ちょっと前には呪いの話なんかも出てきて不吉な感じなのでみんな落ち着かないのです。
Little Mustapha-----ときにマイクロ・ムスタファ君。
マイクロ・ムスタファ-----なんでしょう?
Little Mustapha-----もしかして何か気付いていることがあるのではないかね?
マイクロ・ムスタファ-----いや、特にないのですが。しかし私もそこが気になっているのです。
犬サンタ-----なんでLittle Mustaphaは変な喋り方になるのかワン?
Little Mustapha-----ちょっとした変化があった方がさ。
Dr. ムスタファ-----変化は無い方が良いんじゃないのか?いつも何かが起きてしまうからプレゼントが貰えないんだし。
Little Mustapha-----そうは言っても、このまま何も起こらないとサンタすらやって来ないような気がしてきてさ。イケメンのサンタ君から「今から行きますね」とか、そういうメッセージとかもあって良いのに。
マイクロ・ムスタファ-----そんなメッセージはこれまでも来たことないけどな。でも、せめてクリスマスっぽい事とかあればな。何も無いっていうのはどうしても落ち着かないよな。
Little Mustapha-----では、みなでそろって変な喋り方をするというのはいかがですかな?
犬サンタ-----それは気持ち悪いからやめて欲しいんだワン。
ミドル・ムスタファ-----その前に、そんなことしてもこの状況は変わらないと思いますよ。
Little Mustapha-----Princess Black-holeが留守番電話にメッセージを残しているとか。それぐらいなら害がなさそうだし、あってくれても良いんだけどな。
マイクロ・ムスタファ-----留守番電話機には特に何もなさそうですね。なんというか、いつもとは違って本当にただの留守番機能付き電話機に見えてきます。
Little Mustapha-----そんなことを言われると更に不安になるんだが。でもさっきの着信音は犬サンタ君が勝手に変えたヤツだったし、その留守番電話機が変なものであるというのはいつもどおりなはずだよ。もう、こうなったら心配してても意味がないんだし、こっちからこの何も起きない感じを打破していかないと。
ミドル・ムスタファ-----大丈夫なんですか?余計なことをしてプレゼントに影響があったりしたら…。
Little Mustapha-----逆に、今のこの何も起きそうにない感じの方が問題だと思うからね。ちょうどPrincess Black-holeの話題が出てきたところだし、彼女がクリスマスイブにやってるラジオの特別番組というのを聴いてみるとか。そのぐらいなら問題ないでしょ。
ニヒル・ムスタファ-----Princess Black-holeがプレゼントを貰えない原因になったことはなかったからな。
Dr. ムスタファ-----じゃあ、聴いてみるか。
Little Mustapha-----反対する人がいれば今のうちだけど…。大丈夫だね。それじゃあ、チューナーの周波数を一番低いギリギリのところに合わせると幽かに聞こえてくるというPrincess Black-holeのラジオをオン!
Little Mustaphaがこの変化のない状況を変えるためにAVアンプのラジオチューナーを操作しました。みんなが黙って耳をすましているので余計に何もない感じになりそうでしたが、しばらくすると本当に幽かな音がスピーカーから聞こえてきました。
前に聴いた時にはPrincess Black-holeの素敵なトークとPrincess Black-holeのシングル曲が流れる番組だったので、今回も同じような事だと思って聴いていました。しかし良く聴いてみると、流れている曲はPrincess Black-holeの曲ではなくて、この時期には色々な場所で流れているクリスマスがテーマの歌謡曲です。
Little Mustapha-----あれ、これってもしかして別の放送局かな。
ミドル・ムスタファ-----でも、そんな周波数の放送局なんて聞いたことないですよ。
ニヒル・ムスタファ-----そろそろ曲が終わるから、トークが始まったら合ってるかどうか解るぜ。
ラジオ-----(ジャーン…♪)素敵な曲でしたわね。この曲を聴くとやっぱりクリスマスの雰囲気になりますわ。あたくしの場合、こういう曲を聴いているとクリスマスパーティーで御馳走をいただいている光景を思い浮かべてしまいますのよ。あらいやだ。あたくしまた食べ物の話をしていますわね。ウフッ…!こんな調子じゃ、帰りにクリスマスマーケットへ立ち寄ってしまいそうですわよ。それはさておき、続いてのお便りを読んでみますわね。東京都にお住まいの、ラジオネーム「ケロッピー・ディスク」さん。「Princess Black-holeさんこんにちは。毎年クリスマスのラジオを楽しみにしています。(云々…)」
ミドル・ムスタファ-----一応Princess Black-holeのラジオで合ってたみたいですね。
Dr. ムスタファ-----でもなんか普通の曲が流れたりして。話も普通だったし。特に聞かなくても良かったようなラジオだったな。
Little Mustapha-----といってもこれまで聞いたのって一回だけだったと思うし。それもずっと前だったし。本来はああいう内容なのかも知れないよ。
ニヒル・ムスタファ-----結局何もない感じになってきたな。
犬サンタ-----ふーむ…。これはやはり呪いのせいに違いないんだワン。
Little Mustapha-----そんなことはないって。今年はこういうクリスマスなんだよ。何も起きない普通のクリスマス。だけど最後にはちゃんとプレゼントは貰えるんだよ。だって、ボクら以外のプレゼントを貰えた子供たちって、そういうクリスマスだったはずでしょ?
ニヒル・ムスタファ-----オレ達に聞いても誰も知らないぜ。
Little Mustapha-----まあそうか。もうこうなったらテレビを点けよう。テレビを点けて変な事件が起きてたら緊急事態。普通のクリスマスだったらこのままプレゼントを待つしかない。
ミドル・ムスタファ-----それって、どっちの方が理想なんですか?
Dr. ムスタファ-----まあ何も起きてない方が良いんだろうな。
Little Mustapha-----そうだよ。今日は予定外のことが何も起きずにプレゼントを貰うだけのクリスマス。そういうことだよ。それじゃあ、テレビをオン!
普段は滅多にテレビを見ないLittle Mustaphaなので、チャンネルも一年前と同じまま。つまり夕方のニュース番組のクリスマス特番がやっているということになります。街では何かが起きているのでしょうか?