ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではリクエストと違うプレゼントを貰ったLittle Mustapha達が混乱気味でしたが、いつものようにマイクロ・ムスタファが何かに気付いたような、気付いていないような、そんな話し方になってきたところでした。
Little Mustapha-----なにかに気がついてきたって感じ?
マイクロ・ムスタファ-----いや、まだ漠然としています。そこで、もう一度テレビを点けてもらえないでしょうか。さっきのテレビ中継とこの状況と。不自然であるという点が共通しているような気がするのです。
Little Mustapha-----そう言われるとそんな気もするような、しないような。まあ、とにかくテレビを見てみようか。
Little Mustaphaがテレビを点けるとお天気キャスターの宇絵座理保とスーパー・キショー君、そしてゲストのアイドルグループの袋小路5000から工藤郁子(クドウイクコ)と特別に用意された腹話術人形、キショー君スペシャルとの腹話術による天気予報コーナーが始まっていました。
宇絵座-----キショー君。今日はとっても寒かったね。
スーパー・キショー君-----そうひゃね。かひぇをひかないよーにひをつけないと。
工藤郁子-----それじゃあ、キショー君。風邪をひかないようにするにはどうすればいいか知ってるかな?
スーパー・キショー君-----うぇーとね…。寒きゅねぃよーにねぇ。ヒェーターきたりねぇ。おひゅろにもはいるょ。
キショー君スペシャル-----アハハハ!そんなことしたって無駄だよ!
宇絵座-----(えっ?!工藤さんの腹話術って、達人級…。)
工藤郁子-----えー、どうして?
キショー君スペシャル-----セーターなんてチクチクするから嫌いだー。そんなの着ないで外を走り回ってたら体はポカポカ!風邪なんてひかないもんねー!
宇絵座-----…。
工藤郁子-----(宇絵座さん…!)
宇絵座-----はっ…!キショー君スペシャルは元気がいいですね。
キショー君スペシャル-----子供は風の子!
工藤郁子-----そんなこと言ってると、風邪をひいて大変なことになっちゃうよ。
スーパー・キショー君-----ひょーやよ。きゃじゅひゅーしぇしゅーしゃしゅしゅちゃちゃーせんしょ!
キショー君スペシャル-----えー?そんなのヤだな。じゃあちゃんと暖かくして風邪をひかないようにするよ!
工藤郁子-----そうだねキショー君スペシャル。
宇絵座-----ふぅ…。それではここで風邪をひかないように気温や体感気温に注目しながらこの先一週間の天気をみていきましょう。
キショー君スペシャル-----イェーイ!一週間の天気ぃ!
工藤郁子-----おとなしく聞こうね。キショー君スペシャル。
キショー君スペシャル-----はーい。
時々こういう特技を持ったアイドルというのが現れたりするものだが、ここまでの腕前とは知らず、宇絵座理保もぼう然としてしまったようだ。そして、負けず嫌いな一面が出て実力以上に上手く腹話術をやろうとしたため、途中からスーパー・キショー君が何を言ってるのか全く解らなくなってしまったようだ。
Dr. ムスタファ-----あれは誰かが裏で喋ってるんだろ?
Little Mustapha-----そんなことないよ。Wikipediaによると工藤郁子の腹話術の腕前はファンの間では伝説とまでいわれている、ということだし。
ミドル・ムスタファ-----でも本当に人形が喋っているように見えましたよ。
ニヒル・ムスタファ-----そんなことより、何のためにテレビを点けたか忘れてないか?
Little Mustapha-----ああ、そうだった。それでマイクロ・ムスタファは何か解ったの?
マイクロ・ムスタファ-----まだ何とも言えませんが。でもテレビでもいつもと違っていろんな企画が上手くいっているのです。ところがレギュラー陣の反応を見てみると何かが違うという感じが伝わってきます。それはここで起きていることと似ているのです。
ミドル・ムスタファ-----ということは、ここでの出来事とあのクリスマスマーケットで起きていることが関連しているんですか?
マイクロ・ムスタファ-----いや、そうではないと思います。もしかするとこの世の中全体が同じような状況なのではないかと思うのです。表面上は上手くいっているように見えて、何か決定的な間違いがあるというような。
犬サンタ-----でもそれじゃあ呪いの人形が関係なくなってしまうからダメなんだワン。
Little Mustapha-----ダメっていっても。長官の孫娘さんの呪いの人形なんて最初からありそうになかった話だからね。だいたい里梅屋さんが変なことをいうからいけないんだし。
ニヒル・ムスタファ-----もしかすると、その里梅屋さんも怪しいのかも知れないぜ。その人何をやってる人なんだ?
Little Mustapha-----さあ、どうだろう。詳しく聞くこともなかったけど。フリーランスとかそんなこと言ってたから。多分フリーターだよ。
ミドル・ムスタファ-----フリーランスと聞いてフリーターになっちゃうのはあなたぐらいですけどね。
マイクロ・ムスタファ-----あ、ちょっと待ってください。
Little Mustapha-----なんだ?まさか留守番電話にメッセージ?!
マイクロ・ムスタファ-----いや、違います。それよりも、テレビを…。
マイクロ・ムスタファに言われて一同テレビに注目しました。さっきのお天気コーナーが終わって、今は特別リポーターのIDL/42がクリスマスマーケットの来場者にインタビューをしているところでした。インタビューをしているのはIDL/42の質問担当ですが画面に映っているのはビジュアル担当、そしてインタビューされているのは…。
Little Mustapha-----あ、あれ里梅屋さんだ。
IDL/42-----今日はこのクリスマスマーケットで何か買われましたか?
里梅屋-----チキンを食べて、あとクリスマスっぽいビールを飲みました。
IDL/42-----クリスマスマーケットには良く来られるのでしょうか?
里梅屋-----いや、たまたまなんですけど。今日はこの近くにやぼ用で来ていて。帰りにクリスマスマーケットをやってるのに気付いたから寄ってみたんです。
IDL/42-----あ、ただいまネット情報収集担当が得た情報によると、あなたはオカルトライターの里梅屋さんではないでしょうか?
里梅屋-----え、良く解りましたね。あまり顔は出さないようにしているんですが。
IDL/42-----私達の情報収集能力は伊達ではありません。そしてオカルト担当が是非ともサインが欲しいと言っているのですが、後でお願いしてもよろしいでしょうか。
里梅屋-----ええ、もちろん。
Little Mustapha-----ダメだ!気をつけないと。その人はエッチな夢を見る人なんだぞ!
ニヒル・ムスタファ-----ここで言っても意味ないだろう。
Little Mustapha-----そうか。なんというか正義感からついね。
ミドル・ムスタファ-----正義という感じはしませんけど。それよりも今のにも何か意味があるですか?
マイクロ・ムスタファ-----えっ?いや。さっきの人が出てたからみなさんに教えただけです。
Little Mustapha-----なんだ。でも里梅屋さんここに来たこと「やぼ用」とか言ってたし。オカルトライターならなおさらここに来たことは重要な出来事なのに。
ミドル・ムスタファ-----変なところで謙遜する人もいますからね。本人はやぼ用とは思ってないかも知れませんよ。
Little Mustapha-----まあそうかなあ。でも里梅屋さんがオカルトライターということが解ったし、そうなると「呪い」とかいう言葉が出てきやすいということでもあるから。ここの何かが呪われているというのも、それほど気にしなくて良いんじゃないか?って感じだよね。
犬サンタ-----そんなことないんだワン。みなさんは騙せても私の灰色の肉球は騙せないんだワン。