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#209 「浸透」 2024-12-26 (Thu)

Little Mustapha-----なんというタイミング。

ミドル・ムスタファ-----これって、大丈夫な電話ですよね?

ニヒル・ムスタファ-----それはつまり、変なことが起きる前触れかどうか、ってことだろ?

Little Mustapha-----まあ、誰からの電話か大体解るし、ここまでは想定内って感じだからね。

Dr. ムスタファ-----だが、一応ご意見番にも聞いてみたらどうだ?

マイクロ・ムスタファ-----私のことですか?これは問題ないと思いますよ。

Little Mustapha-----ということで、ピッ!


いつものようにLittle Mustaphaがスピーカーモードで電話に出ました。


電話-----はあ、やっと出たんだワン!早く出ないから曲が終わってしまうところだったんだワン!解ってるなら窓を開けて中に入れるんだワン!


予想通りだったのでLittle Mustaphaはベランダに出られる大きな窓を開けました。



犬サンタ-----名探偵犬ポワロ君だワン!でも紛らわしいからいつもどおり犬サンタ君で良いんだワン!

Little Mustapha-----犬名探偵じゃなくて?

犬サンタ-----それだとペット用みたいだから駄目なんだワン。それから弟子のモナミの犬ヘイスティングス君はまたしても偵察任務だからここで一旦お別れなんだワン。

Little Mustapha-----それじゃあ、犬サンタ君に食べられる前に犬弟子サンタ君用のジャーキーを渡しておくよ。

犬弟子サンタ-----これはありがたいんだバウ。それじゃあ遠慮なくいただくんだバウ。それじゃあ行ってくるんだバウ!

一同(犬弟子サンタ除く)-----いってらっしゃ~い!

Little Mustapha-----実を言うと、さっき里梅屋さんが来てる時に、パーティー用の料理が並んでるのに里梅屋さんに何も出さないのは悪いような気がしてさ。それでジャーキーならありますけど、って言ったら。「それって犬用ですよね」とか言われてね。バレちゃあ仕方ないってことで、犬サンタ君と犬弟子サンタ君のジャーキーが減ることはなかったってことだよ。

犬サンタ-----大変ボンだワン。

ミドル・ムスタファ-----それは、大変よろしいってことですか?

犬サンタ-----ウィだワン。

ニヒル・ムスタファ-----どうでもいい話に割り込んですまないんだが、みんなは気にならないのか?

マイクロ・ムスタファ-----そうですね。私は心配になってきました。

Little Mustapha-----ジャーキーを渡したことが?

ニヒル・ムスタファ-----そうじゃなくて、犬弟子サンタ君がまた偵察任務って言ってただろ。犬弟子サンタ君が行くってことは、また食べ物がいっぱいのクリスマスマーケットだと思うんだが。あそこで何かが起きそうだってことなら、こっちの事も心配になってくるぜ。

ミドル・ムスタファ-----確かにそうですね。

Little Mustapha-----でも去年のことを考えてみると。あのクリスマスマーケットで起きてた事とプレゼントが貰えなかったことに関連はなかったはずなんだよね。

Dr. ムスタファ-----それもそうだな。

Little Mustapha-----去年はカズコから変な連絡が来たりしたけど、それも今のところ大丈夫そうだし。それだってプレゼントとは関係なかったからね。今重要なのは何も起きないようにすることだとも思うよ。

ニヒル・ムスタファ-----そういうことでもあるけどな。なんだか少しずつ心配な要素が増えていくような気がするんだよな。

マイクロ・ムスタファ-----その点については犬サンタ君に聞けば良いのではないですかね。犬弟子サンタ君はどうして偵察任務についたのでしょうか?

犬サンタ-----詳しいことは言えないんだワン。それに私だってここに遊びに来ているワケじゃなくて任務で来ているんだワン。

Little Mustapha-----任務って言っても、いつも途中で寝てたりするけどね。

犬サンタ-----私の灰色の肉球にも休息は必要なんだワン。

ニヒル・ムスタファ-----それで、任務っていうのは何なんだ?

犬サンタ-----ここには異次元につながる扉もあったことだし、問題を起こしがちなみなさんもいるから監視しないといけないんだワン。それに御主人様は毎年クリスマスイブは忙しいから、私がここにいれば淋しくないってことなんだワン。

Little Mustapha-----異次元の扉は多分壊れたままだし、扉がなければ変なことをすることもないってことだし。つまりボクらが長官の孫娘さんに代わって犬サンタ君の世話をしてあげてるって感じじゃないか?

犬サンタ-----そんなことはないんだワン。すでに名探偵の嗅覚でいつもとは何かに気づいているんだワン。

Little Mustapha-----いつもと違うといえば里梅屋さんが来てたからね。それでいつもと違う匂いがしてるんだと思うよ。

ミドル・ムスタファ-----ただ、その里梅屋さんっていう人の存在も心配のタネという気もしますよ。ホントに大丈夫そうなんですか?

Little Mustapha-----だって、みんなもさっき見たでしょ。あの人は、特に一緒にいると良いことが起こりそうとか、そんな感じではなかったけど、悪いことが起こるような感じもなかったし。でも、話してる時に「なんか呪われてる感じがある」とか、そんなことを言ってたけど。

Dr. ムスタファ-----なんだそれは?呪われてるってあの人がか?

Little Mustapha-----いや、この部屋を見て言ってたから、この部屋なのかボクのことなのか。あるいはここで起こることなのかも知れなけどね。ボクも気になるから、どういうことか?って聞いてみたんだけど。気にしないでください、だって。

ニヒル・ムスタファ-----そんなことを言われて気にならないワケはないだろう。

Little Mustapha-----まあ、そうだけどね。でも会ったばかりの人にしつこく聞くような感じは良くないからさ。

ミドル・ムスタファ-----でも向こうだって、あったばかりの人に呪われてるとか言ったんですし。

犬サンタ-----うーむ。それは興味深い話だワン。

Little Mustapha-----興味深いって、それどういうこと?


 いつものように犬サンタ君がやって来たブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ですが、また少し雲行きが怪しくなって来たようです。