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#148 「in Gloom」 2012-12-21 (Fri)

クリスマス なんだかへんな 笑い方


 人はちょっとした事で絶望したり、ちょっとした事で立ち直ったり。そんなこともあるようです。

 ここは現実世界のブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)。今日はあまりに暗く静かですが、ここはすぐに賑やかになりそうです。マイクロ・ムスタファを除くメンバー達がこの部屋に戻ってきたのです。彼らはまだ気づいていないようですが、みんなで笑ったことがきっかけになってこの世界に戻ってこられたのです。

一同-----フヒュヒュヒュヒュ!フヒュヒュヒュヒュ!

ミドル・ムスタファ-----…ところでなんで冷子さんってこんな笑い方なんですかね?

Little Mustapha-----と、思ったら姿が見えないぞ。

ニヒル・ムスタファ-----まさか一人だけ抜け駆けで絶望の荒野から脱出か?

ミドル・ムスタファ-----別にそんなルールはなかったから、抜け駆けってことでもないでしょ。

ニヒル・ムスタファ-----ああそうか。でも普段は暗い感じなのに実は一番前向きだったってことか?

Dr. ムスタファ-----幽霊だから暗いのは仕方ないだろ。

Little Mustapha-----背後霊って言わないと怒られるんだし。うーん…。

犬サンタ-----喋り方が同じなんだワン!まねっこなんだワン。

Little Mustapha-----そうだけど。冷子さんがいなくなったということは、また背後霊になったという事だけど。ボクはまだ絶望の荒野にいても大丈夫なのかな?

ミドル・ムスタファ-----そんなことは知りませんが、それはちょっとおかしいかも知れませんね。


 このような疑問が湧いてきたところにマイクロ・ムスタファが現れました。


マイクロ・ムスタファ-----ああ、本当に良かった。

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----あれ?キミは…いなかったよね?

マイクロ・ムスタファ-----またみんなで声を合わせて…。でも、いないのは当たり前ですよ。さっきまでは絶望の荒野にいたんですから。

Dr. ムスタファ-----いや、違うだろ。キミはアッチコッチ行っているから区別が付かなくなってるんじゃないか?今キミがいるのが絶望の荒野だぞ。

マイクロ・ムスタファ-----区別できてないのはあなた達ですよ。あなた方は絶望の荒野にいたってダラダラしてばかりで、そんなことだからせっかく戻れたのにも気づかないんですよ。

ミドル・ムスタファ-----でも、この場所はそれほど喜びに満ちたとか、そんな感じはしませんけどね。

マイクロ・ムスタファ-----コレまでだって、喜びとかあんまり感じてなかったはずです。

Little Mustapha-----ああ、ホントだ。窓の外はいつもの世界だ。つまりここは現実世界?!

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----ヤッター!

Little Mustapha-----でもなんでマイクロ・ムスタファはちょっと遅れて戻ってきたんだ?

マイクロ・ムスタファ-----私はニコラス刑事のネタはそれほど面白いと思いませんでしたから。でもその後でみなさんが消えたので、やっと元に戻れたんだと思ったら嬉しくなって、それで私もコッチに戻ってこられた、というワケです。

Dr. ムスタファ-----それで、ニコラス刑事はどうなったんだ?

マイクロ・ムスタファ-----どうやら私たちがコッチに戻ってくるタイミングでまた絶望してしまったようで、恐らく今は向こうで一人なんじゃないでしょうか?

Little Mustapha-----向こうで絶望しちゃったら今は誰もいないんだし、戻ってこられなくなるんじゃないか?

マイクロ・ムスタファ-----そうですが、まあとりあえずどうすることも出来ないですね。助けるにしてもいろんな対策をしないといけないと思います。

Little Mustapha-----まあ、それもそうだな。それじゃあ、まずは乾杯しようか。

ニヒル・ムスタファ-----乾杯してる場合じゃないんじゃないか?

Little Mustapha-----だって、今日はまだ一杯も飲んでないんだよ。まあキミ達は絶望の酒を飲んだのかも知れないけど。でも普通の酒も大量に買ってきてあるんだし。

Dr. ムスタファ-----一杯飲んだら良い対策も思いつくかも知れないしな。

ニヒル・ムスタファ-----先生は飲みたいだけなんじゃないのか?

Dr. ムスタファ-----そんなことはない。科学的に…。まあ普通に飲みたいかも知れないが。

Little Mustapha-----じゃあ、飲みましょう。それにツマミの中には犬サンタ君が食べられるものもあるんだしね。

犬サンタ-----わあ、ビーフジャーキーだワン!ペット用なんだワン!これはみなさん飲むしかないんだワン!ビーフジャーキーで乾杯なんだワン!

ミドル・ムスタファ-----というか、なんでペット用のおやつがあるんですか?

Little Mustapha-----なんかペット用品のコーナーを通りかかったら目に入って。どんな味がするのかな?とか思って。別にペット用だからといって人間が食べられないワケでもないし。

Dr. ムスタファ-----だが、薄味すぎるぞ。

ニヒル・ムスタファ-----というか、先生食べたことあんの?

Dr. ムスタファ-----まあ、科学的興味というかな。

ミドル・ムスタファ-----どうでも良いですけど、とりあえず他にやることもないですし、乾杯で良いですかね。それよりも人間用の食べ物はあるんですか?

Little Mustapha-----一応ないこともないけど。餃子の皮を買ってある。

ニヒル・ムスタファ-----皮だけ?

Little Mustapha-----まあ、昔に比べたら良い方だと思ってもらわないとね。あの時は水割りすら禁止で、ロックかストレートでツマミはタバコだったんだし。

ミドル・ムスタファ-----でも最近はもう少しマシな料理も出てきていた気もしますが。

Little Mustapha-----実を言うと酒を買いすぎてお金がなくなったりして。

犬サンタ-----どうでも良いから早くビーフジャーキーで乾杯なんだワン!

Little Mustapha-----それじゃ、みんなコップを持って。行くよ!せーの…!

一同-----メリークリスマース!


 またいつもの変な乾杯をして、この話は終わるのか?とか思ったら大間違い。Little Mustapha達は酒を飲みたくていろんなことを忘れてしまっているような気もしますが、まだ問題はいくつも残っているのです。

 そうとは気づかずに、彼らはいつものようにダラダラした感じになってきました。そしてLittle Mustaphaは台所へ行って怪しい料理を作っています。

Dr. ムスタファ-----…ということでな、どんな美女でも映画のシャワーシーンみたいなセクシーな感じでシャワーを浴びたりしないんだな。

ニヒル・ムスタファ-----というか、発明とか科学の話はどうなったんだよ?それただのエロ話じゃないか。

ミドル・ムスタファ-----とは言っても、普通はあんなふうにはしないと思いますよね。誰かに見せるワケでもないのに。もっとジョワワワワ!ってやってると思いますよ。

ニヒル・ムスタファ-----それどういう表現だよ!ジョワワワワ!ってシャワーがあるか?

ミドル・ムスタファ-----シャンプーしたり流したりして。泡が一気に流される時ってそんな音がしませんか?

ニヒル・ムスタファ-----ふつうジャバジャバとかになるんじゃないか?

Dr. ムスタファ-----ジャバジャバは浴槽だろ?シャワーの時はシャワワ♪シャワワ♪シャワワ…♪じゃないか?

ミドル・ムスタファ-----それって、あの歌のパクりじゃないですか。

Little Mustapha-----キミ達はクリスマスだというのに、なに下品な話をしておるのですか?

ミドル・ムスタファ-----なんであなたはちょっと上品なんですか。

犬サンタ-----それよりもやっと料理が出てきたんだワン!早くビーフジャーキーだワン!

Little Mustapha-----はい、犬サンタ君にはビーフジャーキーだワン!

Dr. ムスタファ-----キミはワンを付けなくても良いだろう?それよりも、私らにはちゃんとした料理があるんだろうな?

Little Mustapha-----まあ、一応ね。さっきビーフジャーキーかじってみたら、ちょっと無理かな、って感じだったし。普通に作ってみました

ニヒル・ムスタファ-----ペット用ビーフジャーキーが不味いのはだいたい解ってただろ。

Little Mustapha-----そんなことよりも…、はい。これは「焼き餃子の皮」と、コッチはネットで見つけたアイディアレシピより、餃子の皮を使ったピザね。

ミドル・ムスタファ-----でも、これってピザと言っても何ものってませんけど。チーズとか具とかは?

Little Mustapha-----だからさっきも言ったように、酒の買いすぎでそっちの予算がなくなってるんだし。マヨネーズか塩か醤油か、好きなものをつけて食べてください。

ニヒル・ムスタファ-----こっちの餃子は中身空っぽだしな。

Little Mustapha-----だから「焼き餃子の皮」ってちゃんと言ってるんだし。ウソではないんだけどね。

犬サンタ-----まあ、そんなことは気にせずに食べたら良いんだワン!ハムハム…。やっぱりビーフジャーキーは美味しいんだワン!ハムハム…。

Little Mustapha-----そうだよ。酒はいっぱいあるんだし。今日はちょっと高めのワインとかも買ってあるしね。…ところで、なんでジャーキーなのにハムハムって言ってんの?

犬サンタ-----これはジャーキーを噛んでる音なんだワン。ハムのことじゃないんだワン!それから食べてるのを邪魔しちゃいけないんだワン!

Little Mustapha-----ああ、それは失礼しました。それじゃ、料理もそろったことだし、もう一度乾杯ということでね。せーの…。

マイクロ・ムスタファ-----あの、ちょっと良いですか?

一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----なんだ、ここで喋るのか?!

マイクロ・ムスタファ-----それはみんなで言わなくても良いでしょ。それよりも…、まあそろそろ長くなってきているので次のページで話しましょう。

 ということでマイクロ・ムスタファが気を使ってくれたので、続きは次のページで。

次のページへ。