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#148 「in Gloom」 2012-12-21 (Fri)

クリスマス 今年もピンチに なってきた

一同-----ウワーッ!! @△%$*○ァg^|ッ だ!!


 窓の外に現れたモンスターを見て各人がそれぞれ違うモンスターの名前を言ったので、なんと言ったのか解りませんが、そこにいるのは手足はあるものの、それが人間だったとは想像も出来ないほどおぞましく変形した生き物でした。

 彼らが言った中からいくつか聞き取れたモンスターの名前を挙げてみると、ジャミラ、ヴォゴン人、フラッド、スプライサー、フェラルグール・リーヴァー、マシーンベム、そしてオバケだワン、です。なぜかここにいる人数よりも多いですが、それは大混乱なので仕方ありません。気持ち悪くて強そうなモンスターは、驚いて腰を抜かしているLittle Mustapha達に向かってグオオオォォォオオオオ!とうめき声のようなものをあげると、かつて手だった部分を振り回しながら部屋の中へ入ってきたのです。


 今回はあまりにも油断しすぎでした。しかもこのモンスターは他のモンスターからはぐれた感じでここに辿り着いたのか、ブラックホール・スタジオの周りでは何も起きていないところへの登場でした。なのでここには武器も用意してなければ、助かるきっかけになるようなネタもない。

 しかし、ここで彼らが「もうこれまでかぁ…」と思って絶望したとしたら?それで助かるということもあるのかも知れませんが、人はこういう時には「こんな所で死にたくない」と思ったりするものです。なのでこの中で絶望して絶望の荒野に消えた人はいませんでした。

 そうなると、もう流れに身を任せるしかありません。そして、こういうモンスターですから、彼らが何も出来ないでいるうちに次々に彼らを抹殺して行くに違いありません。あまりにも恐ろしいので彼らは目を開けていても何が起きているのか理解できないような状態でした。しかし、そのうちヤバいことになるに違いないと思ってもいました。

 でも、かなり時間が経ったのに何も起こりません。こういう非常事態には物事が全てスローモーションのように感じることもあるのですが、ここまで何も起きないのはスーパースローよりもさらに遅い。Little Mustapha達はそれぞれ何が起きているのか?と思いながらゆっくりとアタリを見回し始めました。別にゆっくり見回す必要はないのですが、周りがスローモーションになっているように見える非常事態なので、それにあわせてゆっくり、ということです。

 ゆっくりと部屋を見回すと、一人知らない人が立っているのが解りました。ゆっくりと動く視線がやがてその人に集中することになります。そこにいたのはスーツを着たサラリーマンふうの男の人でした。その人も何が起きたのか解らずにポカンとしていたのですが、全員に見つめられているのに気づいて気まずくなったようです。


男の人-----あの、ど、どうも…。

Little Mustapha-----ああ、どうも。

男の人-----ええと…。バイトの方達ですか?

一同(男の人除く)-----???

男の人-----違いますよね。そうですよね。ええと、ここはどこでしょうか?私は冬のハイテクスマート祭りの会場でデモンストレーションをしていたはずなのですが。…ああ、なんか変だなあ。やっぱりあんなスマート食品なんて危険だっていったのに。…あの、どうも失礼しました。私、これからすぐに会社に戻らないといけないんですが、駅はどっちの方でしょうか?

Little Mustapha-----あっちの方ですけど。ちょっと道が複雑だからそのスマートフォンで調べた方がいいですよ。

男の人-----そうですか。そうですね。お取り込み中大変失礼いたしました。それでは楽しいクリスマスパーティーを続けてください。さようなら。

一同-----…??

ニヒル・ムスタファ-----どういうことだ?

Little Mustapha-----まあ、助かった、ってことじゃない?

Dr. ムスタファ-----そうだが、あのジャミラはどうなったんだ?

Little Mustapha-----ジャミラじゃなくてフラッドでしょ、あれは。

ニヒル・ムスタファ-----オレはプレデターに見えたがな。

ミドル・ムスタファ-----プレデターなんて誰も言ってませんでしたよ。…って、そんなことはどうでも良いんですよ。いま帰って行った人がモンスターだったワケですよね?それが急にもとの人間に戻った、ということで良いんですよね?

Little Mustapha-----そういうワケが解らない時にはテレビで情報収集するしかないかな。

 ということで、Little Mustaphaがテレビをつけました。


-----イージードゥダンス!(フォー!)イージードゥダンス!(フォッフォー!)…


 ということで、Little Mustaphaがテレビを消しました。

Little Mustapha-----だめだ、歌番組になっちゃった。

ミドル・ムスタファ-----ということはさっきの事件は解決したんですかね?

Dr. ムスタファ-----変身した人間がもとに戻ったならそれで良いんじゃないか。

ニヒル・ムスタファ-----それで全ての問題が解決したとは思えないぜ。

犬サンタ-----あの…だワン。

ミドル・ムスタファ-----どうしたんですか、マイクロ・ムスタファみたいな喋り方ですけど。

犬サンタ-----大変申し訳ないんだワン。さっきのが恐くて私はお漏らししてしまったんだワン…。

Little Mustapha-----ああ、なんか臭うと思ったら。しょうがないなあ。まあ良いよ雑巾持ってくるから。

犬サンタ-----すまないんだワン。でもちょっとだけだから勘弁するんだワン。

ミドル・ムスタファ-----前はウンチしてましたし、それに比べたらたいしたことないんじゃないですか。

Dr. ムスタファ-----そういえばウンチとカレーを見分けるアプリがあったが、あれは問題ないのか?ウンチが怪物に化けるというのはないのか?

ニヒル・ムスタファ-----なんでそういう発想になるんだ?

Little Mustapha-----そんなのはどうでもイイけど、とりあえずそこを綺麗にしたら、一度落ち着いて乾杯ということで。

ミドル・ムスタファ-----またですか?

Little Mustapha-----だって、さっきの恐いので乾杯気分がリセットされてしまったし。

Dr. ムスタファ-----それもそうだな。

犬サンタ-----その前に、誰か来たみたいなんだワン!

Little Mustapha-----誰か、ってまた変なのがくるのか?今日はもう沢山だよ。

犬サンタ-----変なのじゃないんだワン。窓が開けっ放しだから解るんだワン!これはご主人様とおじいさまなんだワン!ワンワン!ワンワンワン!

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