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#148 「in Gloom」 2012-12-21 (Fri)

ミドル・ムスタファ-----その電話って鳴るんですね?

Little Mustapha-----まあ、たまにはね。誰だろう?…もしもし?

電話-----「ああ、よかった繋がりましたね。私ですよ。マイクロ・ムスタファです」

ミドル・ムスタファ-----ちょっと、何やってるんですか?Little Mustaphaはバッティングセンターに行ってただけだったんですよ。

電話-----「ええ。それはこっちに来て誰もいないのですぐに気づきました。それよりも問題が発生しているんです」

ニヒル・ムスタファ-----また面倒なことはゴメンだぜ。

電話-----「そうなんですが。でもこれは大変なことなんです。私は自分でも絶望することには慣れていると思っていたのですが、そうではなかったのです。この絶望の荒野は私が思っていたよりも絶望的で、もう絶望するしかないのです」

Little Mustapha-----何言ってるかよく解らないけど。ボクらとしては早く戻ってきてくれないとイロイロと面倒になると思うし。

電話-----「それが出来ないのですよ。こっちに来たら戻る方法が見つからないのです。どうしても戻れないのです。…ああ、でももうダメかも知れません。わずかな希望を頼りに電話をかけてみたのですが、もう希望が尽きてしまいます。みなさんもどうか気をつけて。この絶望の荒野にだけは足を踏み入れてはいけません」(ガチャ!)


Little Mustapha-----なんか公衆電話の小銭みたいな感じで希望を使ってたけど。

ミドル・ムスタファ-----そんなことはどうでも良いですけど。大変な事になっているような気がしますよ。

Dr. ムスタファ-----ヤツが帰ってこられないとなると、その券も使えないのか?

ミドル・ムスタファ-----どうでしょう?Little Mustaphaがフラれたという事実が無くなるのならマイクロ・ムスタファも絶望の荒野に行くことも無かったですし。

ニヒル・ムスタファ-----それに、元に戻ったらプレゼント関係も正常になるってことだろ?それならヤツにもまた希望が出てくるかも知れないし。もし簡単に戻ってこられないとしても、希望があればなんとかなるさ。

Little Mustapha-----という事だけど。犬サンタ君はどう思う?

犬サンタ-----解らないんだワン。だけど券は使うべきなんだワン。一つずつ問題は解決していくものなんだワン!

Little Mustapha-----じゃあ、やってみるか。というか、この「振り出しに戻る券」ってどうやって使えば良いんだ?

犬サンタ-----簡単なんだワン。その券に自分の意志を伝えたら良いんだワン。

Little Mustapha-----念じるってこと?

犬サンタ-----それでも大丈夫だワン。

Little Mustapha-----じゃあ、やってみようかな。

ミドル・ムスタファ-----ああ、ちょっと待ってください。また変な考えを起こして、偽の手紙を上手く利用しようとか、そんなのはダメですよ。

Little Mustapha-----解ってるよ。でも誤解を招かないように念じるんじゃなくて口に出して意志を伝えることにするよ。

Dr. ムスタファ-----それが科学的だな。

ニヒル・ムスタファ-----だいたい「振り出しに戻る券」なんてものが科学的じゃないと思うんだが。

Little Mustapha-----まあまあ、余計な事を考えると先に進まないから。それじゃあやるよ。えーと…「振り出しに戻る券様!お願いがあります。サンタの孫娘さんのところに偽Little Mustaphaの手紙が届く前の状態に戻してください!お願いします」…と。これで良いの?

犬サンタ-----良くできました、だワン!ヨシヨシ、だワン!

Little Mustapha-----褒められちゃった!

ミドル・ムスタファ-----何を喜んでいるんですか!それよりも、これで本当に大丈夫だったんですか?とりあえずネタは抜きにしてマイクロ・ムスタファはまだ戻ってきていないようですけど。

ニヒル・ムスタファ-----ホントだな。何も変わってないような気もするな。

犬サンタ-----それじゃあ調べてみるんだワン。

Little Mustapha-----どうやって調べるの?

犬サンタ-----ご主人様がここに来た事実がまだ現実だとすると、ここに来た分の時間だけプレゼントの配布が遅れているはずなんだワン。でも予定どおりにプレゼントの配布が進んでいればご主人様はここに来なかったって事になるんだワン。それは私のMacBook Airを使えば調べられるんだワン!

ミドル・ムスタファ-----なんか宅急便みたいですね。

Little Mustapha-----うん。

犬サンタ-----あれ?今回は私のMacBook Airを羨ましく思わないのかワン?

Little Mustapha-----まあ、今は必要ないかなとか思って。…というか、そんなことをするためにそれを出したの?

犬サンタ-----冗談だワン!ちゃんと調べるんだワン。…プレゼント配布状況によると、特に遅延は無いようだワン。…だけどおかしいんだワン。今日はご主人様はお休みでご主人様のいとこが配ってるみたいだワン。

Little Mustapha-----いとこもいるんだ!?それで、そのサンタ孫娘さんのいとこも美女なの?

犬サンタ-----男なんだワン。イケメンだワン!

Little Mustapha-----なんだ…。

ミドル・ムスタファ-----ちょっと、そんなことだからいきなりフラれたりするんですよ!

Little Mustapha-----はい。スイマセン。でもサンタの孫娘さんはどうしたんだろう?具合が悪いのかな?心配しちゃうよ。

犬サンタ-----解らないんだワン。…おや、メールが届いているんだワン。これはご主人様からなんだワン!

ニヒル・ムスタファ-----なんて書いてあるんだ?

犬サンタ-----ちょっと読んでみるんだワン。「今日は泊まってくるからまたあの臭い部屋の人達に遊んでもらっていてね」だワン。

ミドル・ムスタファ-----臭い部屋、ってこの部屋のことでしょうか?

犬サンタ-----きっとそうなんだワン。

Little Mustapha-----という事は、上手く行ってるんじゃないか?って感じだけど!…というか臭い部屋って。

Dr. ムスタファ-----まあ科学的に男がこれだけ集まると臭いかも知れないな。

ニヒル・ムスタファ-----科学的じゃなくてもな。

犬サンタ-----でもペット臭に似てるから嫌いじゃないんだワン。それよりもまだ続きがあるんだワン。「このあいだ知り合った彼って、スゴく優しくてハンサムでお金持ちだし。ホントにいい人。こんど犬サンタちゃんにも会ってほしいな」だワン。

Little Mustapha-----(ガーン…)

犬サンタ-----えーと、これは何のことかワン?アハハハ…だワン。

Dr. ムスタファ-----科学的に考えると、サンタの孫娘さんに恋人が出来た、ってことだろ。

ニヒル・ムスタファ-----そして、どう考えてもLittle Mustaphaではないな。

ミドル・ムスタファ-----つまり、振り出しに戻したあとの半年間にサンタの孫娘がハンサムでお金持ちのいい人に出会ってしまった、ってことですね。…というか、Little Mustaphaの姿が見えないのですが。

ニヒル・ムスタファ-----あれ、ホントだ。

Dr. ムスタファ-----またバッティングセンターか?

ミドル・ムスタファ-----いや、これはもしかすると…。

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