マイクロ・ムスタファ-----みなさん、そんなことよりもニコラス刑事はどうするんですか?
ミドル・ムスタファ-----ああ、そうだ。忘れるところでしたね。
Little Mustapha-----といっても、どうすることも出来ないような。
ニヒル・ムスタファ-----そうだな。もう一度あそこに行って戻ってこられるかも解らないしな。
Little Mustapha-----それに今日はいろんな種類の酒を飲んでるから頭がボーッとして考えるのが面倒になってきたし。
ミドル・ムスタファ-----それは理由になりませんけど。
Little Mustapha-----ああ、そうか。
Dr. ムスタファ-----こういうのはどうだ?ニコラス刑事は女子アナが好きだっただろ?だからテレビ付けたら嬉しくなるんじゃないのか?
ニヒル・ムスタファ-----どういう理屈かしらないが、こっちでテレビを付けたって意味ないと思うがな。
ミドル・ムスタファ-----それに向こうのテレビはリモコンの電池切れで点けられないですしね。
Little Mustapha-----でも、テレビ付けたらヒントが隠れているかもね。今日はクリスマスイブなんだし、基本的にお気楽な番組ばっかりだから、明るい気持ちになれるかもよ。
マイクロ・ムスタファ-----まあ、なにもしないよりはマシでしょうか。
Little Mustapha-----そうだよ。そうやって少しでもマシなことをするように心がけていけば簡単に絶望なんてしなくなるんだし。
ミドル・ムスタファ-----というか、あなたが一番解り易く絶望してましたけどね。
Little Mustapha-----だからこそ、これからは、ってことなんだし。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、こっちのリモコンは大丈夫なのか?
Little Mustapha-----もちろん。コッチの世界は希望に満ちてるからね。もしも電池切れだとしても、ここには人類の希望、エネループがあるんだぜ!
犬サンタ-----しかも単4だワン!
Little Mustapha-----なぜか犬サンタ君が感激してるけど。とにかくテレビを点けるよ。
Little Mustaphaがテレビを付けましたが、はたしてそこでは楽しい番組がやっているのでしょうか?これまでの経験からするとろくな事になっていない、というのがいつものパターンなのですが。画面が明るくなると人気女子アナの二代目ウッチーこと内屁端アナの声が聞こえてきました。
内屁端-----はい!ここで先程の事件の続報が入ってまいりました。なんと、あれはスマートフォンのアプリの誤作動が原因なのではないか?と言われているのです。
スタジオのキャスター-----アプリの誤作動ですか?それが暴徒による街の破壊とどう関係しているのでしょうか?
内屁端-----それなのですが、実は数時間前にとあるベンチャー企業の作成したアプリに重大な欠陥があるということが解り、利用者に使用を中止するように警告が発せられていたのです。
スタジオのキャスター-----それはどこの企業のどういったアプリなのでしょうか?
内屁端-----はい、ウッチー率いる精鋭取材班の調査により解ったのは…キャー!
スタジオのキャスター-----どうしました?!
内屁端-----てめぇ!女子アナに喧嘩売ろうってのか?え!?…アッ、失礼いたしました。恐らく先程の事件と関係があるのだと思いますが、恐ろしく凶暴化した男性に襲いかかられるところでした。ここは危険なようなので、いったん避難させていただきまぁす!
Little Mustapha-----しまった。テレビ点けるの危険なの忘れてた。
ニヒル・ムスタファ-----そんなこと言っても意味ないぜ。テレビを付けなかったとしても外では変な事件が起きてるってことだし。
ミドル・ムスタファ-----そうですね。いつものように変なことが起きているという事を知っておくだけでも良いことかも知れませんし。
Little Mustapha-----良いねえ、その前向きな姿勢。というか、一体なにが起きてたんだ?ただ酔っ払いが暴れてるだけかもよ。
マイクロ・ムスタファ-----いや、そうではないと思います。
一同(マイクロ・ムスタファ除く)-----…?
マイクロ・ムスタファ-----それはネタなのかどうかよく解りませんが。とにかく私の考えを話しますけど。ベンチャー企業のアプリというところがどうにも気になるのです。
Dr. ムスタファ-----なにが問題なんだ?ああいうアプリって言うのはベンチャー企業が作るもんだろ?
ミドル・ムスタファ-----大手の企業だって作ってますよ。ベンチャー企業でも作ってますけどね。
ニヒル・ムスタファ-----そういうことはどうでも良いと思うぜ。
Little Mustapha-----それでそのアプリがなんだっていうの?
マイクロ・ムスタファ-----そのアプリというのは、体の中で食べた食品がどうなっているのかを調べるアプリなんです。
ミドル・ムスタファ-----それって、どういうことですか?
マイクロ・ムスタファ-----詳しくは解りませんが、食品の中に細胞一つ程度の大きさのセンサーを組み込んでおくことによって、その食品の栄養素などが体内にどのように取り込まれていくのか、その状態を調べる事が出来るというものなのです。そして、そのセンサーに付いている通信機能で情報をスマホに表示するという事なのですが。もしもそのセンサーに不具合があったとして、それが人間の行動に影響を与えるのだとしたら、何かとてつもない…[未完]
ミドル・ムスタファ-----また未完ですよ。今日は沢山作品が出来ますね。
ニヒル・ムスタファ-----それよりも、そんなアプリに意味はあるのか?食べたものがどうなるのかぐらい自分で解るだろ?
Little Mustapha-----そんなことはないよ。自分が外出中に飼っている犬がどうしているのか?とか監視できる装置みたいなのもあるし、見えないものは見てみたいんだよ。そういうことだと思うよ。
犬サンタ-----イヌはお利口さんだからご主人様がいなくても良い子で待っているんだワン。
ミドル・ムスタファ-----本当ですか?
犬サンタ-----ごくまれにティッシュペーパーをイタズラしちゃうこともあるんだワン。
ニヒル・ムスタファ-----それはどうでもイイけど、ペットの監視と食べたものの監視は別だろ?
ミドル・ムスタファ-----確かに意味はないかも知れませんね。
Little Mustapha-----意味はなくても調べたくなることもあるんじゃないの?どこに行くわけでもないのに地図を見ているといろんな発見があったりするでしょ?それに似ているのかな。あるいはアプリのインターフェイスがカッコイイと必要ないのに使いたくなるけど、そっちかも。
Dr. ムスタファ-----やっぱりそれはベンチャー企業じゃないか。
ニヒル・ムスタファ-----…?どういう意味で言ってるのか全然解らないぜ。
マイクロ・ムスタファ-----あの、すいません。それよりも、私たちに危険が迫っているような気がしませんか?
Little Mustapha-----そうなの?でももう絶望しちゃったし、それを乗り越えもしたし、今日は大丈夫なんじゃないか?という気もするけど。
マイクロ・ムスタファ-----しかし、私はコッチの世界にいる間にテレビで何度も怪しいアプリについての番組を見ていたのですが。どうやら事件の中心はまたこの家の辺りにあるみたいなんです。
ニヒル・ムスタファ-----またなのか?
Little Mustapha-----そうか、今回は絶望の荒野にいたから気づかなかったけど、コッチにいたらまたいつものようにパニックホラーとして盛り上がっていたんだな。
ミドル・ムスタファ-----そういうジャンルの話はもうこの間すんだ話ですから、どうでも良いですよ。
Little Mustapha-----しかも別のコーナーだから何のことか解らないしね。
Dr. ムスタファ-----それで、何が危険なんだ?
ニヒル・ムスタファ-----先生はまだ理解してないのか?怪しいセンサー入りの食品を食べた人間が凶暴化しているかも知れない、ってことだぜ。
ミドル・ムスタファ-----そして、いつものパターンで行くと、私たちを襲いに来るかも知れないということです。
Dr. ムスタファ-----そんなことがあるのか?凶暴化しているといっても人間だぞ。コレまではワケの解らん怪物だったりしたから恐ろしかったが、人間なら大丈夫なんじゃないか?ヤバくなったら警察を呼んだら良いんだしな。科学的に考えたら恐いものなんて一つもないぞ。
犬サンタ-----そうだワン。今日はクリスマスイブなんだから楽しいことしか起きないんだワン!ハムハム…。
ミドル・ムスタファ-----ちょっとまたジャーキー食べてるんですか?食べ過ぎは良くないですよ。
犬サンタ-----そんなこと言っても、止まらないんだワン!ハムハム…。
Little Mustapha-----ということで、気にしなくても大丈夫という意見もありますが、ここはやはり最新情報を入手しないといけないと思うので、テレビをつけてみましょう!