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#151 「Epoch」 2013-12-24 (Tue)

クリスマス なかなか終わらん コラボ作

:ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)


Dr. ムスタファ-----ということでな。まあ、なんていうか…3Dプリンタは便利だな…。

ニヒル・ムスタファ-----なんだよそれ?もうちょっと盛り上がるような楽しい科学はないのかよ?

Dr. ムスタファ-----そんなこと言ってもだな。科学的に今はちょっと落ち込んでいるべき時なんだし。

ミドル・ムスタファ-----そんなことを言うとまた…。ほら、またLittle Mustaphaが泣いてますよ。

Little Mustapha-----だって、そんなこといっても仕方ないじゃん。もう全ての望みは絶たれたと同然なんだし。ウッ…ウッ…。

ニヒル・ムスタファ-----希望を捨てるな、って言ってたのキミじゃなかったか?それなのに、そんなにメソメソするなよ。

Dr. ムスタファ-----そうだぞ。元々手にしていたものを失ったワケじゃなし。そう考えたら少しは気が楽にならんか?

ニヒル・ムスタファ-----それはビミョーだがな。

ミドル・ムスタファ-----とにかく、泣いてても仕方ありませんよ。じゃあ、もう一回乾杯しましょう。みなさんコップを持って、せーの…!

一同-----レッツ・サンタの酒!


 ブラックホール・スタジオでは先ほどからこういうことが何度も繰り返されていました。しかし、いくらサンタの酒を飲んでも、犬サンタ君が動かなくなってしまったような状況では楽しく盛り上がることも出来ません。そしてLittle Mustaphaに関してはサンタの孫娘さんへの希望も絶たれてしまった気がしていたので、余計に落ち込んでいるようです。

 しかし、サンタの国のサンタの酒はただの酒ではありません。彼らが何度も乾杯して奇跡の酒を飲んでいるうちに、彼らは気づかないうちに奇跡的に酔っ払ってきます。それがどういう状況か解りませんが、酔っ払い過ぎて世の中にとって全く意味のない人。つまり「どうでも良い人」になっていたのです。そして、そんな彼らのいる部屋自体もどうでも良い空間になって来ました。

 サンタの酒を飲んでいる状態でそのような空間が発生するとどうなるのか?これまでも似たような現象は起きていましたが、彼らのいる部屋全体がどうでも良い状態になって、そして「どうでも良い荒野」にいつの間にか迷い込んでいたのです。

 それは、ニコラス刑事がモオルダアに話した異次元空間のような所、ということです。Little Mustapha達はまだ気づいていませんが、今この部屋から外を見ると、そこはどうでも良いことが無限に広がっている「どうでも良い荒野」なのです。


犬サンタ-----(フッフッフ…だワン。)

ミドル・ムスタファ-----あれ?この盛り上がりきれない状況で誰か笑いましたか?

ニヒル・ムスタファ-----いや?マイクロ・ムスタファ、まさかキミか?

マイクロ・ムスタファ-----いや。なんでそんな風に気づいてもらう必要があるんですか?

犬サンタ-----(フッフッフ…だワン。)

ミドル・ムスタファ-----ほら、また聞こえましたよ。

Little Mustapha-----アッ!犬サンタ君が動き出した!

犬サンタ-----フッフッフ…だワン!みなさん驚いたかワン?

Dr. ムスタファ-----どういうことだ?

犬サンタ-----全て計算どおりだったんだワン。

ミドル・ムスタファ-----なにがですか?

犬サンタ-----あの殺人サンタが来ることだワン。

ニヒル・ムスタファ-----それじゃあ、なんで最初から教えてくれなかったんだよ?

犬サンタ-----まあ、聞くんだワン。その前に今みなさんはサンタの酒の影響で元の世界とは別の次元にいるんだワン。

ミドル・ムスタファ-----エッ?…アッ、本当だ。外の景色がなんかどうでも良い感じ過ぎますけど。これって、まさに異次元ですね。

犬サンタ-----みなさんがいなくなった元の部屋では今頃おじいさまがあの悪魔を退治している頃だワン。

ニヒル・ムスタファ-----ちょっと待てよ。その悪魔って10月31日に退治されたって言ってただろ?

犬サンタ-----ホントは違うのでした、ってやつだワン。実を言うと10月31日には悪魔の倒し方が解っただけだったんだワン。そして、やつを退治するにはLittle Mustapha達があそこにいてはいけなかったんだワン。

ミドル・ムスタファ-----なんか納得出来るような出来ないような。

Little Mustapha-----それよりも、なんで死んだフリなんてしてたんだよ。ボクは絶望して絶望の荒野へ行ってしまいそうになってたんだぞ。

犬サンタ-----それはすまなかったんだワン。でもサンタの酒の力を借りるとはいえ、異次元世界にやってくるのには特殊な状況が必要なんだワン。これまでもそうだったように、望んだからと言って異次元世界にいけるとは限らないんだワン。だからこういう方法をとることにしたんだワン。

Little Mustapha-----もっと他に良い方法があったんじゃないのか?

犬サンタ-----でも、これはご主人様が考えた作戦なんだワン。

Little Mustapha-----やっぱりね。完璧だと思った。

ミドル・ムスタファ-----解りやすく態度を変えてますけど。

犬サンタ-----それからLittle Mustaphaが悲しんでいるのが私が死んだと思ったからなのか、ご主人様に怒られると思ったのか?というところがイマイチ曖昧でちょっと腹が立ったから私は長いこと死んだフリをしていたんだワン。

Little Mustapha-----そんなの、犬サンタ君が死んじゃったと思ったからに決まってるじゃないか。

犬サンタ-----ホントかワン?怪しいんだワン。

Little Mustapha-----いや、まあ。あの元の世界に戻ったらビーフジャーキー買ってあげるから。

犬サンタ-----一年分が良いんだワン。

Little Mustapha-----エェ?!

犬サンタ-----イヤだと言うのならご主人様に言いつけるんだワン。

Little Mustapha-----ウゥ…。解ったよ。

犬サンタ-----よし、良い子だワン!

ミドル・ムスタファ-----なんか、どっちが犬か解らなくなってますよ。

マイクロ・ムスタファ-----でもちょっと待ってください。あの銃声がした時、確かにその銃口はLittle Mustaphaに向けられていたと思うのですが。それでもLittle Mustaphaは助かって、さらに盾になったと思われた犬サンタ君も生きている。これはミステリーありませんか?

ニヒル・ムスタファ-----なんか自然に会話に入り込んできたな。

ミドル・ムスタファ-----でも今は時間がないから気にしないことにしましょう。

犬サンタ-----そこが気になるなら説明するんだワン。確かに銃はLittle Mustaphaに向けて発射されたんだワン。そして、その銃弾がどこに言ったか気になるのかワン?それは実は私のお腹の中にあるんだワン。特殊な訓練を受けた犬サンタだから弾丸を上手く口でキャッチすることも出来るんだワン!犬サンタ君はとっても素早いんだワン。

Little Mustapha-----ホントに?でも弾丸はどうなったの?

犬サンタ-----着地して死んだフリをしようとした時に間違って飲み込んでしまったんだワン。でもそのうちウンチと一緒にでてくるから大丈夫なんだワン。

Little Mustapha-----ふーん。それはそれで、まあ納得かな。それよりも、せっかく犬サンタ君が無事だということが確認できたんだし、今度こそ楽しくサンタの酒が出来るんじゃないか?ってことですけど。

ミドル・ムスタファ-----そうですね。

Little Mustapha-----それじゃあ、みんなで。せーの…!

一同-----レッツ・サンタの酒!(だワン!)

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