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#192 「リポータル」 2020-12-25 (Fri)

 ゾンビの鹿場根さんがいたり、ロボットが言うことを聞かなかったり、何も起きていないとは言えないのだが、実質的には何も起きていないのと変わらないクリスマス。しかし、あれだけアレコレ企んでいたような女子アナ達の話もあるので、そろそろ何かが起きるのではないか?そんな期待を込めて女子アナ達の様子を見てみることにする。

「はい、人気女子アナのウッチーがまたしても何もない街から、なんでもない事をお届けしました!それでは、今度はリレー形式で腹パンを呼んでみたいと思いまぁす!腹パン。腹パン?聞こえる?」

ここで腹パンのいるところにカメラが切り替わったが、腹パンは慌ててカメラの前にやって来たようである。

「はい、こちら現場の腹パンでよろしかったでしょうか。予定外の直接の呼び出しってことですが」

「予定外のことにもちゃんと対応しないと一人前とは言えませんよ。ところで、腹パン。実際にはそちらが予定外のようにも思えるのですが。今いるのは予定の取材ルートとはちょっと違う場所ではありませんかぁ?」

「はあ、そのことでしたか。実は、そろそろ内屁端アナのいる場所の近く着いていてもおかしくない時間なのですが、こちらにはこちらの事情もありまして、裏でコソコソやるには上手く行かないこともあるのです」

「えっと、何を言ってるのかな?って感じですが。リポートよろしくお願いしますね」

「用が済んだらそちらの方面へ向かいたいと思ってます。…はい、それではここから腹パンのコーナー。先程から各所を巡って続いている、腹パンのもうお腹いっぱい、腹パンパン!腹パンのグルメ探検!の続きを行ってみたいと思いまぁす」


どうやらウッチーと腹パンは今夜の番組中にこっそりと合流する予定だったらしい。それがウッチーの企んでいたことに関係しているはずであるが、腹パンの方の事情とは恐らく亜毛パンの企みに関することであろう。


「こちらは飲食店などほとんどない寂れた商店街なのですが。あっ、ちょっと見てくださぁい。あそこに美味しそうな本屋さんがありますよぉ。こう見えてもけっこう読書家の腹パンは本屋さんも大好物!早速、中を覗いてみましょう」


腹パンがコレまで食べてきたものを考えると、本などは紙で出来ているので簡単に食べてしまいそうである。本屋さんに入って何をしようというのだろうか?


「見たところ、食べて美味しそうな本はあまりないようなのですが、実はこの本屋さん、ある特色があるのです。それはなんだか解りますでしょうか?」

腹パンまでもクイズ形式。スタジオのキャスターはクリスマスにちなんだような気の利いた回答をするのだが、あってるワケはない。

「大ハズレでよろしかったでしょうか。実はこの本屋さんは自主出版の本が沢山置いてあることで有名なのです。こちらがその自主出版のコーナーということなのですが…。アーッ、見てください。これはどこかで見たことがありませんかぁ?」

腹パンが大量にある本の中からある本を見付けて、わざとらしく驚いている。

「こちら、亜毛パンこと亜毛屁端アナではないでしょうか?プロポーションには自信があると言っていたけど、なかなか声がかからないから自分で作ったという写真集。実はクリスマスの今日が発売日だったのです!表紙を見てもかなり露出度高めでよろしかったでしょうか?ということですが。そして、裏などは…あっと、これは映して大丈夫なのでしょうか?…はい…。あっ、ちょっとマズいということで、裏は買ってからのお楽しみですね。…えっと、どうしたことでしょうか?外の方がちょっと騒がしいのですが…」

亜毛パンが企んでいたのはコレだったようだ。偶然を装い腹パンに自分の写真集を宣伝してもらう。しかもテレビでは映せないような内容も含まれていそうだということである。

 そして、外が騒がしくなったのはなぜか?というと。テレビを見たマニア達が早くも集まってきたのである。無言だがものすごい熱量を持って集まった亜毛パン・マニア達。一瞬店内はマニアでごった返したのだが、マニアならではの謎の連携プレーで順序よく写真集が売れていき、アッという間に店内は元の閑散とした様子に戻ったのである。

「みなさん、ご覧になったでしょうか?腹パンが味見する分がなくなってしまいましたね。それでは次の街に行ってみたいと思いまぁす!」

腹パンはコレから途中の街で見付けたものを食べてリポートしながらウッチーのいる街へ向かって行ことになるようだ。