Dr. ムスタファ-----あの亜毛パンっていうのは、けっこう歳いってるらしいな。

ニヒル・ムスタファ-----それって週刊誌に載ってたアレだろ。

ミドル・ムスタファ-----ああ。実は何年も大学受験に失敗して、最終的には裏口入学っていう。

Little Mustapha-----キミ達はそういう下世話な話が好きだねえ。何があったのだとしても、最終的にエロい写真集を出したのだから、それでイイんだよ。

犬サンタ-----今のは良い話だワン。ご主人様に教えてあげるんだワン。

Little Mustapha-----いやいや、ダメだよ。今のは酔った勢いです！

犬サンタ-----良く解らないけど、いわないことにしてあげるんだワン。でも代わりにそろそろジャーキーが欲しいんだワン！

Little Mustapha-----ああ、そうか。でも犬弟子サンタ君の分もあるからなあ。

犬サンタ-----それなら心配ないんだワン。

犬弟子サンタ-----到着したんだバウ。この扉を開けて欲しいんだバウ。

　犬弟子サンタ君が詫び酒を配り終えてブラックホール・スタジオ（Little Mustaphaの部屋）にやって来ました。犬サンタ君と犬弟子サンタ君はジャーキーを貰って食べながらマッタリ。

　Little Mustapha達はさっきから特に話す事もなくなって、テレビを見ているような、いないようなという状態でした。

Little Mustapha-----それにしても、アレだよね。密は良くないって言われてるのに、何かあると店に人が殺到したりするのは良くないよね。

Dr. ムスタファ-----でもさっきの本屋は、密が一瞬だけだったな。

ミドル・ムスタファ-----かなり人がいたように見えたんですけど、効率よくやってましたね。

ニヒル・ムスタファ-----それよりも、どうして紹介した瞬間にあんなに大量に店にやって来るんだ？

Little Mustapha-----マニアっていうのは、色々と嗅ぎつけてるものなんだよ。

ミドル・ムスタファ-----それって、何を根拠に言ってるんですか？

Dr. ムスタファ-----どうせ科学的な理由なんてないだろ。

犬サンタ-----でも密はダメなんだワン。五つのコじゃないとダメだワン。

Little Mustapha-----そうだよねえ。

一同（犬サンタと犬弟子サンタ除く）-----五つのコ！オマケにコ！も一つコ！かわいい七つのコがあるからな！

犬弟子サンタ-----なんだバウ？いきなり恐いんだバウ。

犬サンタ-----今のはきっとカラスの歌なんだワン。

犬弟子サンタ-----そうなのかバウ。

Little Mustapha-----でも、この七つのコっていうのは謎だよね。これはカラスの子供の事かと思ったんだけど、良く考えたらカラスなら七羽だし。人だとしても七人でしょ。

ミドル・ムスタファ-----ということは、やっぱり七つというのは七歳という意味なんですかね。

Little Mustapha-----そうだよね。多分こういうことだと思うんだけど。カラスだったら七歳だと子供じゃないでしょ。七歳で子供っていうことは人間に違いないんだけど。その子供は赤ちゃんの時に捨てられて、運が良かったのか悪かったのか、カラスに拾われて育てられたんだよ。カラスに育てられたから人間の言葉は話す事が出来ないんだけど、カラスっていうのは知能が高いことでも有名でしょ。だからその子供も色んな事を知っていて、自分が人間に捨てられた事にも気付くんだよ。そして、恐怖のカラス人間となって人間に復讐していく。

犬弟子サンタ-----恐い話だバウ…。

ニヒル・ムスタファ-----今のは作り話だから恐がらなくて大丈夫だぜ。

犬弟子サンタ-----なんだ、安心だバウ。

ミドル・ムスタファ-----それよりも、なんでカラスの話なんかになったんですか？

ニヒル・ムスタファ-----それは七つのコとか言い出すからだな。

Dr. ムスタファ-----でも、あの五つのやつは一つ増えてるし、七つになるのも時間の問題だろ。

Little Mustapha-----いずれにしてもコを守らないと、次もこの面倒なリモートパーティーになるからね。

　リモートパーティーがあまり盛り上がっていないことをみんな感じていたのか、Little Mustaphaが言うと全員なんとなく頷いてしまいました。

　点けっぱなしのテレビでは、スポンサーの変わる時間帯になったようで、各所にいる女子アナ達を背景にスポンサー名が表示されていました。

　スポンサー名の後ろに、まずは新たな飲食店を見付けて、飾られているクリスマスのオーナメントにかぶりつこうとする腹屁端。

　次はちゃっかり自分の写真集を持ち歩いている亜毛パンがヤバいページをチラ見せしながらカメラに向かって手を振っています。

　最後は人気女子アナのウッチー。

「おいコレ、どうなってんだよ。なんで腹屁端が亜毛屁端の写真集宣伝してたんだ？あいつら女子アナなめてんのか？」

　ウッチー用のマイクはオフになっているのだが、遠くにあるマイクに怒鳴り声が届いている。どうやら、かなりお怒りのようである。

マイクロ・ムスタファ-----あの、ちょっと良いでしょうか？

Little Mustapha-----エッ、なに？まさか留守番電話？

マイクロ・ムスタファ-----いや、今年は確認できないので、留守番電話はあなたが気をつけていてください。

ミドル・ムスタファ-----それで、なんなんですか？

マイクロ・ムスタファ-----ちょっと気になっただけなんですけどね。今テレビで三人の女子アナが映ってましたよね。それで、気付いたんですけど、三人が映っている映像の背景がLittle Mustaphaの家の近くの風景に似ていると思ったもので。

Little Mustapha-----なんだ、そんなことか？って思ったんだけどね。今言われて留守番電話に気をつけようと思ったらね…。

ブラックホール・スタジオの一同-----あー！着信がないのに留守番電話にメッセージが残されていることを示すランプが点滅している（んだワン｜バウ）！

Little Mustapha-----なんと鹿場根さんまで一緒に驚いてくれたんだけど。

ニヒル・ムスタファ-----それって、女子アナが近づいて来てる事と関連してるのか？

Dr. ムスタファ-----科学的に考えて女子アナは電話じゃなくてメッセージアプリだがな。

Little Mustapha-----一理ある。

ニヒル・ムスタファ-----だが科学じゃないぜ。

ミドル・ムスタファ-----それよりも、大丈夫なんですか？また怪しい雰囲気になっているような気もするんですけど。

Little Mustapha-----といっても、例によって点滅したままじゃ気持ち悪いし、人間はボク一人でも、いつの間にかここには沢山いるからね。大丈夫なんじゃないかと…。

　また何かが起ころうとしているのでしょうか？いつもの怪現象の象徴とも言える留守番電話にメッセージが残されていました。

　今年はリモートパーティーの特殊なクリスマス。誰もが気付かないようなところで何かが起きているのかも知れません。