その頃ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)では、テレビでの予想外の展開に言葉も出ないといった様子で、全員がその内容に注目していました。でもそれが自分達と関係のないところで起きてることなので、少し安心している部分もありました。
Dr. ムスタファ-----まさかサナギになるとは思わなかったな。
ニヒル・ムスタファ-----でもそれはあの二人の単なる推測に過ぎないんだぜ。
ミドル・ムスタファ-----じゃあ何なんですかね?あの状態は、あれですかね。クモに掴まって糸でグルグル巻きになった獲物とか。
Little Mustapha-----だとしても、あれは自分で自分をグルグル巻きにしたってことになるよ。
マイクロ・ムスタファ-----いずれにしても、気をつけてください。あの場所はそこからすぐ近いところですから。
テレビ(内屁端)-----「あっ、みなさん見てくださぁい!しばらく変化のなかった腹パンの繭に変化が起きています」
テレビ(亜毛屁端)-----「縦に伸ばした球体状の頂点の部分にほんのりと赤い光が灯っています。そして消えて…、あっ!また点灯しました!」
テレビ(内屁端)-----「赤い光。しかしそれは綺麗な赤ではなく、膿んだ傷口のようなドロドロしたものを連想させる色でもあります。そして静かに呼吸するようなテンポで明滅していたその光ですが、次第にそのテンポが速くなっているのではないでしょうか?」
テレビ(亜毛屁端)-----「まさにそのとおりですね。明滅の速度が速まるにつれて高まる緊張感。これは更なる変化の時を告げているのでしょうか?…そうこうしているうちに明滅の速さに目が追いつかなくなって常に光っているように見えてきました」
テレビ(内屁端)-----「それだけではありません!次第に光が強くなって、すでに直視できないような明るさに…ギャァ!」
テレビ(亜毛屁端)-----「ギャァ!」
腹パンの作った繭がものすごい明るさで光ったと思ったら、次の瞬間バンっという音と共に画面が真っ暗になりました。
それと同時にブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではトイレの中からドンっという音がして、Little Mustapha達はそっちの方に驚いてビクッとなっていました。
何が起きたのか?とトイレの扉の方を見つめていると、なんと中からは腹パンこと腹屁端アナが出てきました。
しかし、テレビで見ている腹パンとは少し印象が違っていて、どこを見ているのか解らない虚ろな瞳は血走っていて恐ろしくも思えました。
犬弟子サンタ-----この人はテレビに出てた人なんだバウ。
犬サンタ-----でもなんか様子が違うんだワン。
腹屁端-----えーっと、こちらは腹ペコの腹屁端でよろしかったでしょうか?ということですが。先程横屁端さんから頂いた胃薬を飲んで腹痛が治まったと思ったのですが、そこからの記憶がなくなっているようです。そして、ここはどこだったでしょうか?誰かの家の中のようですが、なんと美味しそうな人間とゾンビと犬が用意されています!それでは、胃薬で胃腸快調!腹パンの食人コーナーいってみたいと思いまぁす!
なぜか急に食レポのようなことを始めた腹パンですが、良く聞いてみると人を食べると言っているようです。そして、大きく開いた腹パンの口の中には鋭い牙がビッシリ!
犬サンタ-----あっ、人食い女だワン!早く逃げるんだワン!
突然の出来事にボーッとしていたLittle Mustaphaですが、人食い女という言葉を聞いて我に返りました。そして、次の瞬間に腹パンの口の中の恐ろしい牙をみてしまったのですが、幸いにも悪魔デバイスの防衛フィールドのおかげでパニックにはなりませんでした。だたし、パニックにならなかったとしても対処法は解りません。なすすべもなく腹パンの方を見つめているだけのLittle Mustaphaでした。
腹屁端-----それでは、早速いただきまぁす!
このままではLittle Mustaphaが食べられてしまうと思った時、また不思議なことが起きました。どこからともなくサンタの孫娘さんが現れると、Little Mustaphaの前に置いてあった「サンタの国のサンタの酒」を手に取り、それを腹パンに渡しました。
腹屁端-----あっ、これはもしかして食前酒でしょうか?
サンタの孫娘-----遠慮せずに全部飲んでください。
腹屁端-----それはありがとうございます。では、お言葉に甘えて…。うーん!これは美味しいお酒ですね。こんなに美味しいお酒は初めてなので、コメントも出てきませんが、もっと飲ませて頂きますね。…うーん。これは美味しいお酒ですね。
Little Mustapha-----ああ。いつも1000倍ぐらいに薄めて飲んでるサンタの酒をそのまま飲み干してる…。
サンタの孫娘-----大丈夫です。この人の中の毒液を中和しているのです。
なんのことか解りませんでしたが、腹パンがサンタの国のサンタの酒を飲み干す頃には、その表情もいつもの腹パンに戻っているような気がしました。そして、飲み干したあとにプハーッと息を吐き出した時に見えた口の中は普通の人間の歯が並んでいました。
腹屁端-----えーっと、すっかりご馳走になってしまったのですが…。ここはいったいどこだったでしょうか?
サンタの孫娘-----テレビ局の方達なら外にいますよ。
腹屁端-----そうですか。どうも長いことお邪魔してスイマセンでした。それでは腹パン、パンパン大満足!クリスマスグルメ食べ歩いて食べ尽くし!これにて終了でぇす!
タイトル名が言う度に違うような気がしますが、腹パンが締めくくると、にわかに起こった騒動も終結したことになったようです。