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#192 「リポータル」 2020-12-25 (Fri)

 一方、だんだん酒も回ってきてすっかり緊張感のないブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)では。


Dr. ムスタファ-----…ということでな。IoTなんか私の手にかかれば覗き放題なんだな。

Little Mustapha-----へぇ…。

ミドル・ムスタファ-----あれ、ニヒル・ムスタファはなにか言わないんですか。Dr. ムスタファのスケベ発明、というかスケベハッキングでしたけど。

ニヒル・ムスタファ-----ん?!…まあ、どうせスケベな妄想だろ。

Dr. ムスタファ-----そうかも知れないんだがな。

ミドル・ムスタファ-----なんかアレですね。リモートだといまいち盛り上がらないって気もしますよ。

Little Mustapha-----そうだよねえ。というかさ、リモートだからって変に意識するからいけないんだと思うよ。変なお面とかでウケを狙うとか、そういうのがないだけマシだけどね。でも無理に盛り上がろうとして肝心なことを忘れているよね。第一にリモート飲み会にゾンビがいるのに、なんで誰もそれを話題にしないのか?そして、犬サンタ君は来てるけど、弟子は何をしているのか?最後に最も重要なのはどうして留守番電話機の着信メロディが「飾りじゃないのよ涙は」になっていたのか?

Dr. ムスタファ-----そう言われるとそうだな。

ニヒル・ムスタファ-----そうだが、最も重要なのはそれじゃないだろ。

犬サンタ-----やっと気付いたのかワン。今年は弟子も成長したから別行動でも大丈夫なんだワン。でもその前に着信メロディは本当に重要なんだワン。なぜなら変えたのはこの私だからだワン!

Little Mustapha-----またそんなことをして。ちょくちょく変えられるから電話の音なのかどうか解らないんだから。

犬サンタ-----でも私専用の着信メロディだから大丈夫なんだワン。今回のはクリスマス用に楽しい歌にしたんだワン。

Little Mustapha-----あの歌は楽しい歌って感じじゃないんだけど。

犬サンタ-----いっぱい笑って楽しい歌なんだワン!ワッハッハー!だワン!

Little Mustapha-----ワッハッハー!?…それってもしかして、「飾りじゃないのよ涙ワッハッハー!」ってこと?

犬サンタ-----もしかして、じゃなくてそれ以外にないんだワン。

Little Mustapha-----まあ、間違ってるんだけど、そう考えると楽しい歌っぽいからね。

犬サンタ-----そうなんだワッハッハー!だワン!

ミドル・ムスタファ-----あの、その歌が楽しいのは解りましたけど。私の家の扉を猛烈な勢いでガリガリしてる音が聞こえてるんです。これって、何でしょうか?

ニヒル・ムスタファ-----まさか、そっちにモンスターが登場したんじゃないか?

Little Mustapha-----ほら、やっぱり!みんなここに来ないでボクを一人にするから、こういうことになるんだヨッホッホー!

犬サンタ-----それは違うんだワン。ミドル・ムスタファの家に行ったのは私の弟子の犬弟子サンタに違いないんだワン。早くドアを開けてあげるんだワン。

ミドル・ムスタファ-----うわ、ホントだ。

犬弟子サンタ-----先輩の言うとおり近い順から来ましたバウ!

Little Mustapha-----これってどういうこと?

犬サンタ-----ここで私が一人で来た理由が明らかになるんだワン!今年はサンタ達が人間のバイトを雇えないから、本物のサンタ達だけでプレゼントを配らないといけないんだワン。そしてプレゼント配りは子供達ファーストってことで、仕方なく私達がサンタから詫び酒を預かってきたんだワン。

ニヒル・ムスタファ-----ちょっと、その詫び酒ってまさか?!

Dr. ムスタファ-----なんだかイヤな予感がするな。

Little Mustapha-----今年は特別なクリスマスだし、こんな事は今年で最後って思えば良いんじゃない。

ミドル・ムスタファ-----そう思うしかないでしょうかね。

Little Mustapha-----えーと、マイクロ・ムスタファもそれでイイのかな。今年はリモートなのでテレビ中継を気にしたり、留守番電話のランプに気付いたりとかも出来てないうちに、悲しい報告を聞くことになりそうなんだけど。

マイクロ・ムスタファ-----ええ、大丈夫です。早く知ればそれだけ早く次の作戦が考えられますからね。

Little Mustapha-----ということで、事態を受け入れる心の準備は出来ているみたいだね。…というか、こういう時には悪魔デバイスのなんとかフィールドは効かないの?

犬サンタ-----わかんないけど効いたら困るから効かないルールにしておくんだワン。それじゃあ、今回ここに来た理由の一つを発表するんだワン。今年もみなさんのプレゼントは無しになったから代わりに「サンタの国のサンタの酒」をプレゼントするんだワン!

Little Mustapha-----やったー!サンタの国のサンタの酒だ!

Dr. ムスタファ-----もしかして精神的緩衝フィールドが効いてるんじゃないか?

ミドル・ムスタファ-----どうなんでしょう?無理してはしゃいでるようにも思えますが。

Little Mustapha-----まあ、こういう時には楽しい歌でも歌えば良いんだよ!飾りじゃないのよ涙ワッハッハー!

犬サンタ-----そうだワン。ワッハッハー!だワン!

犬弟子サンタ-----それじゃ、私からもだバウ。まずはミドル・ムスタファに「サンタの国のサンタの酒」の小瓶だバウ。

ミドル・ムスタファ-----これはどうも。というか、なんで小瓶なんですか?

犬サンタ-----こっちの部屋は人が沢山集まることが多いから、大きいサイズなんだワン。でも小さい方でも、バケツ一杯分の水に一滴で充分だから沢山飲めるんだワン!

ミドル・ムスタファ-----そうでしたね。じゃあ、少しずつ味わいながら飲むことにしますよ。

犬弟子サンタ-----他の皆さんの家にも今から持っていきますバウ。順番に行くから待ってるんだバウ。

犬サンタ-----それじゃ、よろしく頼むんだワン!

犬弟子サンタ-----はい、行ってきますだバウ!