holicRSSFeed

#192 「リポータル」 2020-12-25 (Fri)

 ところで、衝撃的なシーンを実況していた女子アナ達はどうなったのだろうか?

 実は、あの腹パンの作った繭が小さな爆発を起こしたあとに、繭の方でも一騒動があったのである。


 あの繭が地獄の転送装置であるということは先程説明されたが、繭で転送されたのは腹屁端アナだけではなかったのだ。それが通常の動作だったのか、あるいは転送装置が不完全だったからなのかは解らないが、腹屁端アナが転送されると同時に、どこからともなく謎のおじさん達が繭から飛び出してきたのである。


 そして、そこにたまたま通りかかったある集団が。

 それは今時避けるべきだと言われている「密」を見付けると異常なまでに反応してしまう、密警察と呼ばれる人達だった。

 密警察の集団自体が密だということは言っても思ってもいけないのだが、繭の周囲に転送されてきた謎のおじさんの集団を見た密警察がおじさん集団ともみ合いに。

 これでさらに密が大きくなったとも気付かずに、辺りは騒然となって、女子アナ達もいがみ合っていたことも忘れて今度はこの騒動の実況に熱が入っていたのである。


 しかし、こんな異常事態にもかかわらず、クリスマス特番の放送時間は延長されず予定どおり終了ることになったのだ。せっかくの実況にもかかわらず、ウッチーと亜毛パンの実況の声は放送されず、騒然となっている現場の様子だけが、スポンサーの紹介の背景で静かに流されていただけであった。

 さらに、もう少しだけ話は続くのである。

 女子アナ達にとっても一大イベントのクリスマス特番を終えた亜毛屁端アナ。殴り合いながらも最後にはお互いに協力して番組を成功させたこともあって、内屁端との間にミョーな友情が生まれてしまったのではないか?とも思いながら家路についていたのだ。

 そして、彼女が自宅の近くの人の少ない道を歩いているとき、彼女の前にある人物が現れた。

「こんばんは亜毛屁端アナ」

それは横屁端アナである。

「あ、あなたは…」

横屁端アナに会うのは初めてだが、亜毛パンは横屁端がかつて同じ局の女子アナだったことは知っている。

「見てましたよ。今日のあなたの活躍」

「そうですか。ありがとうございます」

「それでね、私思ったんだけど。あなた、とっても素晴らしいウンサーを持っているわね」

「ウンサーですか?」

「そう、ウンサー。それはアナの、ウンサー。その才能を伸ばしていけば、きっと素晴らしい女子アナになれると思うの…」


 また何か怪しいことが始まっているようである。

 ということで、今年もクリスマスの大特集でした。

 今年はいつもとは違うので、ブラックホール・スタジオもいつもと違うことにしないといけなかったりで、かなり大変な作業になったのです。

 まあ、裏話をあんまり書くとフィクションみたいになってしまうので書けませんけど。というか、フィクションじゃないのかよ?って感じですけど。どうでしょうか。


 そして、これもいつもとは違うからということで、もっと書けるはずの大特集も全然やらないまま年末になっています。

 次からはもっと頑張りたいと思います、という抱負も書いて、次はいつのなるのか?


 どうぞお楽しみに。