いつもじゃない場所
雪の降る森の中。積もった雪をかき分けて進むサンタがいました。
本当にサンタなのかは解りませんが、赤い布に白いフサフサやモコモコが付いた服を着ているので、多分サンタなのです。
そのサンタのような人は森の中を歩き回ってだいぶ疲れているようでしたが、それでも休むワケにはいかない理由があるようで、這いつくばるようにして雪をかき分けて何かを探していました。
静かな森の中で聞こえてくるのはサンタが息を切らしている音だけです。他には誰もいない森の中に雪が絶え間なく落ちてきて、辺りは深々とした森と暗がり。
木々と雪しかないような森の中で何かを探すというのは気の遠くなるようなことに思えましたが、雪をかき分けていたサンタの指に何かが触れました。サンタにはどこにそれがあるのかちゃんと解っていたようです。
サンタは何かがあった場所にあった雪を少し慎重に掘り返していくと、そこから紙切れが見えてきました。
サンタが紙を手に取って広げると、そこには文字が書かれているようでした。
「またコレだ…」
それを読んだサンタが怒りとも失望とも思えるような、なんとも言えない表情になりました。
そして顔を上げてつぶやいたサンタはLittle Mustaphaにソックリな気がするのです。というよりもLittle Mustaphaと同じ顔なので、Little Mustaphaなのではないでしょうか?
でもLittle Mustaphaはサンタではないので、これはおかしな話です。
そこは気にせず、とにかく話を進めましょう。
サンタは見つけた紙を彼が肩からかけているカバンの中に入れました。そのカバンの中には同じような紙が何枚も入っています。
サンタはさらに紙を探すために森の奥へと進んでいきました。
いつもの場所
一体何が起きていたのか?という出だしでしたが、今はまだクリスマスまで数日というところ。ブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)にはサンタではないLittle Mustaphaがいて、いつものように怪しいものを作ったり、ゲームをしたりしているようです。時々誰かに見られているような気がして振り返るLittle Mustaphaでしたが、それもいつものことなので、ここではまだ何も起きていないみたいです。
今のところ、わざわざここに書くようなことは起きていないブラックホール・スタジオにはまたクリスマスイブに戻ってくることにしましょう。
では、ここで最近のクリスマスでは以外と重要な役割を担っていたりする人達のことも確認してみるのも良いかも知れません。
実はいつも登場する彼女の住むマンションの一室
人気女子アナのウッチーこと内屁端アナは一大決心をしたのである。そして早速それを行動に移して、早くも壁にぶち当たって、今はとある芸能プロダクションに電話をかけているところであった。
内屁端-----路線変更って、それはどういう事ですかぁ?確か袋小路5000は随時メンバー募集中のはずだったと思われますが。
電話の相手-----ですが、これからは少数精鋭という方針でグループ名も袋小路5000から袋小路Ⅴ(ファイブ)になっているのです。現役メンバーからの選抜と新メンバーですでに五人が決まっているので、現在はメンバーの募集は行っていないのです。
内屁端-----それではウッチーの計画どおりにならないのですが。袋小路5000のメンバーになったら人気女子アナの立場を利用してセンターになれるはずだったのです。少数精鋭ということになっても、すでに実績もあるウッチーが入ればグループの人気も上がるのではないでしょうか?
電話の相手-----とはいっても、すでにメンバーは決まっているので新しいメンバーを入れることは出来ません。しかし、そこまで言うのなら控え要因としてプロフィールなどを聞いておいても良いでしょう。まずは名前から教えてください。
内屁端-----ウッチーこと内屁端です。
電話の相手-----年齢は?
内屁端-----18でぇす!
電話の相手-----…ええと、先程人気女子アナと言っていたのですが、18歳ということだと…。
内屁端-----アイドルっていうのはサバを読むんじゃないんですか?
電話の相手-----とはいっても、あまりにも無理があるサバの読み方は問題です。
内屁端-----はぁ?てめえ、こっちは何年女子アナやってると思ってんだ?女子アナなめてると…。
電話の相手-----あ、こちらはAIなので、そういう脅しなどは通用しませんよ。
内屁端-----え、AIですかぁ?それなら仕方ないですね。現場からは以上でぇす!
少し慌てた様子で電話を切る内屁端。過去に起きた騒動が原因でいまだにAIみたいなものは苦手なようだ。
内屁端-----ちっ…。これは何か別の方法を考えないとマズいな…。
ウッチーは何を企んでいるのか?