クリスマスのこの感じ
爆弾人間の神出鬼没な能力とは何だ?という気がしますが、クリスマスマーケットの会場にもいつの間にか大量に発生した爆弾人間なのでそんな能力があってもおかしくはありません。
Little Mustapha達が気付いた時には部屋の中に沢山の爆弾人間がいて彼らの周りを囲んでいました。そしてトイレに続くドアのところだけ道が空けられている状態です。
Little Mustapha-----みんな、我慢だ。我慢と行ってもトイレを我慢という意味でなくて、あのトイレに逃げ込むことは我慢ってことだけど。トイレに行きたいって人は今日に限って風呂場を使うことを許可する。
ミドル・ムスタファ-----何言ってるか解りませんが、爆弾人間の間を通って風呂場に行くのも無理ですよ。
Dr. ムスタファ-----こんな状況じゃトイレに行きたい気分もなくなったからな。
パニックにならないようにしていたLittle Mustapha達ですが、変な話をしている間に爆弾人間の数も増えてきたようで、それに伴って周囲の爆弾人間はLittle Mustapha達に近づいて来ました。そして、部屋の真ん中に追い詰められた感じのLittle Mustapha達に向かって爆弾人間があの音を発しました。
「うっ…、うっ…」
それを聞いてLittle Mustapha達の背筋がゾゾッとしました。
これならあのウッチーが怯えてしまうのも無理はありません。その音は近くで聞くと恐怖心に直接訴えてくるような気味の悪い響きでした。
ニヒル・ムスタファ-----恥ずかしいことだが、恐くて手が震えてきたぜ。
Little Mustapha-----さすがカズコが作っただけあるよ。占いで恐怖心を植え付ける技術がここで使われているに違いないよ。
ミドル・ムスタファ-----でも、これ本当に爆発するんじゃないですか。
犬サンタ-----それはないはずだワン。爆発する臭いはしてないんだワン。
犬弟子サンタ-----でも、この声を聞くと恐くて逃げたくなるんだバウ。
マイクロ・ムスタファ-----爆発しないというのならその恐怖は錯覚のようなものです。
Dr. ムスタファ-----それはあれだな、パニック発作ってやつだ。
ニヒル・ムスタファ-----ずいぶん前にそんな話してたけどな。
爆弾人間達-----うっ…、うっ…。
一同-----うわぁ…!恐いぃ…!(んだワン…!)(んだバウ…!)
Dr. ムスタファ-----みんなで恐がると余計に恐くるな。
ニヒル・ムスタファ-----でも絶対に逃げたらダメだぜ。
ミドル・ムスタファ-----といっても、もう生きた心地がしません。
Little Mustapha-----ここは長官の孫娘さんのためにも…。というか、忘れてたけどこういう時こそ座禅だよ。
ニヒル・ムスタファ-----座禅って、そんなことしてすぐに恐怖心がなくなるのか?
Little Mustapha-----まあ変な恐怖症を克服するには数ヶ月続けないと効果はなかったけどさ。まあこの爆弾人間の声は耳を塞いでも脳や神経に直接響いてくる感じだからね。集中して呼吸をコントロールする。するとそのうち体も精神もコントロール出来る。ような気がしてくる。アーミートォーフウ〜!
犬サンタ-----あ、それはサンダ和尚だワン。それなら私も出来るんだワン。アァーミートーフォオ〜!
ミドル・ムスタファ-----なんかものまね大会になってますけど。ホントにそれで効果があるならみんなもやってみませんか。
ニヒル・ムスタファ-----座禅は良いけど変な念仏は唱えないぜ。
Dr. ムスタファ-----地獄の沙汰も金次第ってやつだな。
マイクロ・ムスタファ-----最後の手段ということならやるしかないですね。
切羽詰まっていたのでDr. ムスタファが意味の無いことわざを言ったことはスルーされました。
また更に数が増えた爆弾人間達がまた声を発しました。
一同-----うわぁ…!恐いぃ…!
座禅作戦はあまり効いていないようですが、それでもLittle Mustapha達は逃げ出さずに頑張っているようです。
爆弾人間達-----うっ…、うっ…。うっ…、うっ…。
爆弾人間達の声は更に大きくなり、その声を発する感覚も短くなって来ています。しまいには時計の針がコチコチと動くようなテンポでうっ…、うっ…と聞こえてくるようになりました。
これは、爆発する…!誰もがそんなふうに思いながら必死に耐えていると、突然爆弾人間達の声がやみました。
これまでしていた音がしなくなるというのも逆に恐ろしくもあります。この静けさにゾー…っとしながら、もしかしてこれは爆発前の一瞬の出来事を長い時間に感じているだけじゃないか?なんてことを考えたら更に恐くなります。
そして静寂にも耐えられないような気がしてくるような時間が経過した後のことです。Little Mustapha達の周囲でカシャカシャという音がし始めたと思ったら、それが一気に音量を上げてガシャシャと何かが崩れるような音になりました。
一同-----うわぁ…!爆発だぁ!
全員同時に耐えきれなくなって、つむっていた目を開けて飛び上がりました。爆死するよりは助かりたいということで全員でトイレの方に逃げようとしたのですが、全員が何かに躓いて一度立ち止まらないといけませんでした。
Little Mustapha達が少し冷静になって辺りを見回すと爆弾人間達の姿はなく、パーツごとにバラバラになった彼らの残骸が部屋に散らかっていたのです。
Little Mustapha-----ほ、ほら。やっぱり座禅で何とかなったから…。
ニヒル・ムスタファ-----どっちかっていうと失敗してたし。
ミドル・ムスタファ-----声が思いっきり震えてますよ。
マイクロ・ムスタファ-----しかし、何が起きたんでしょうか。
Little Mustapha-----それはきっと長官の孫娘さんが何とかしてくれたんだよ。ボクらの愛の力だな。
犬サンタ-----でもご主人様からは何の連絡も来てないんだワン。
Dr. ムスタファ-----じゃあ、なんだったんだ?