あれがLittle Mustaphaだったら、さっきから登場しているまともなLittle Mustaphaは何なんだ?ということになってきましたが、ここで事件現場から新しい情報が入ったようです。ウッチーが生中継するようです。
内屁端-----はい、こちら現場の内屁端です。先程サンタが監禁されているあの建物から激しい怒鳴り声のようなものが聞こえてきて、辺りが騒然となったのですが、今は静まりかえっているという状態です。そして見てください。サンタのファンの女性達が涙ぐみながらイケメンサンタの無事を祈っています。彼女達には、この「心配しているアピール」を映してあげることを条件に、静かにしてもらっているのです。素晴らしいウッチーの交渉能力だと思いませんかぁ?一方でSNSでは「サンタ君が心配」「サンタ君、怪我してなければ良いけど」と言った書き込み、さらには「ウッチー、今日も可愛い」「ウッチーも写真集出して!」あるいは「ウッチーのサンタコスが見たい」それから「ウッチー、今日胸元セクシー」やだ、そんな事ないですよぉ!…といった書き込みがあるようです。現場からは以上でぇす!
中継が終わるとADがウッチーのところへやって来ました。
AD-----ウッチーさん。借りてきましたよ。
内屁端-----おおAD。良くやった。これがキショー君か。以外と重いんだな。中継のあと瞬く間にSNSのトレンド入りしたキショー君を使えば注目度もさらに上がるってもんだな。
AD-----じゃあ、ボクはまた中継を邪魔されないように見張りを…。
内屁端-----ちょっと待て。とりあえずぶっつけ本番はマズいから、リハーサルやるぞ。
AD-----はあ。
内屁端-----こういうのはやっぱりアイドル崩れなんかよりも、トレーニングを積んだ女子アナのほうが上手いってことを見せてやるからな。いくぞ。「こんにちはキショー君!」
キショー君-----キュンニュイヤ…!
内屁端-----どうだ?
AD-----だいぶ酷いです。
内屁端-----はぁ?てめえちゃんと耳聞こえてんのか?
AD-----スイマセン。やっぱり見張りに戻りますね。
するとそこへ警察のような人がやって来ました。着ているのは警察の制服で間違いないのですが、確かに「警察のような人」なのです。
警察のような人-----すいませぇん。ここで中継やると邪魔なのでやめてもらえませんかぁ?
内屁端-----はぁ、なにを…。と、思ったらこれは本格女優を目指しているとかほざいている、亜毛パンこと亜毛屁端さんじゃないですか。
亜毛屁端-----ありがとうございます。後輩の私をさん付けで呼んでいただけました。写真集売り上げ記録を塗り替えまくった私の実力を認めてくれたということでよろしかったでしょうか?
内屁端-----そこは確かにスゴいと思っていまぁす。でもアート路線になった二冊目の売り上げ大幅な減少についても言及した方が良いんじゃないですかぁ?それはともかく、残念ながら、他の局や番組にこの特等席を譲る気はありませぇん。それに、その格好は何なのですかぁ?今日はハロウィンじゃありませんよ。
亜毛屁端-----そのとおり、今日はハロウィンではありませんし、これは仮装ではないのです。なんと今日はこの亜毛屁端、一日署長としてこの街の警察署長をやっているのでぇす!ですから、これはお願いではなくて、警察からの命令だと思ってくださぁい!
内屁端-----はぁ?!一日署長っていっても、それは飾りのようなもので実際には何もしないのが普通かと…。
亜毛屁端-----それは並のタレントがやる警察署長ですね。私の場合、実際の警察署長さんが私の大ファンということで、私の言いなりなのです。ですから、ここをどかないなら逮捕することも出来るんですよ!
ケンカするほど仲が良いなんて言葉もありますが、この二人の仲の良さはテレビの設定上での話。そろそろ引きつった笑顔が限界になりそうで周辺の緊張感が高まってきたところへ、お天気キャスターの宇絵座理保がやって来ました。
宇絵座-----ハァハァ…。あっ、丁度良かった警察の人がいます。スイマセン、私のパートナーのキショー君が盗まれてしまったのです…。と思ったら亜毛パンさんじゃないですか!
亜毛屁端-----あっ、リホっち。元気にしてた?
宇絵座-----はい、おかげさまで。私、亜毛パンさんの写真集「偽装」、二冊も買っちゃいましたよ!
亜毛屁端-----ホント?嬉しい!
宇絵座-----ちゃんと保存用と閲覧用で分けてるんですぅ。
内屁端-----(ふん、媚び上手め。)
宇絵座-----あっ、ウッチーさん、その人形はキショー君じゃないですか?なんでウッチーさんが持ってるんですか?
内屁端-----いや、その。これはあれよ…。
亜毛屁端-----ねえ、リホっち、さっき人形が盗まれたって言ってなかった?
宇絵座-----そうなんです。ちょっと目を離した隙に。気付いた時にはキショー君を抱えた誰かが走って逃げていくところだったんです。
亜毛屁端-----それをなんでウッチーさんが持ってるんですかぁ?
内屁端-----ど、どうやら何か行き違いがあるのだと思われますが。もっとキショー君推しでいこう、ってことで指示がありまして…。おい、AD!これ借りてこいって言ったよな!
AD(遠くから)-----あ、すいませーん。なんか手段を選ばずって言ってませんでした?まあ、黙って借りたってことっすかね。頼んでも無理そうだったんで。
内屁端-----(あのやろー…。)ということでね。中継内でキショー君をどんどん使っていこうってことになったからね。それにリホっち、腹話術の腕はまだまだだから、お手本を見せてあげたいとも思ってたの。
宇絵座-----そうなんですか?ウッチーさんの腹話術見てみたいです!
内屁端-----じゃあ、少しだけやってみるから。良く見て、ちゃんとワザを盗んでちょうだい。「キショー君、今日は何の日だか知ってる?」
キショー君-----ギュニュギュニュギュニュギュニュゥ…!
宇絵座-----うわぁ、ホントに喋ってる!ウッチーさんスゴい。
亜毛屁端-----(ちっ…。なかなかやるわね…)
下手すぎる人達にとってはそれで出来ている事になってしまうのか解りませんが、腹話術の腕前のおかげでウッチーは窮地を脱することが出来そうな感じになりました。