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#199 「ENTER/EXIT」 2022-12-24 (Sat)

 空き家では丁度後ろ前Little MustaphaがLittle Mustaphaのプレゼントに関する話を聞いて衝撃を受けていたところでした。

 そして、そこに突然モモルダア捜査官が現れました。Little Mustaphaがそれに気付いて「あっ!」と声をあげたのでモモルダア捜査官も一度顔を上げて彼を見ましたが、そのまま手に持っていた装置で何かをしているようでした。


Little Mustapha-----ちょっと、モモルダアさん!なんでこんなところに転送されたんですか?これじゃあ全然安全じゃないし。

モモルダア-----…。

Little Mustapha-----そんな機械はどうでもイイから、なんとかしてくださいよ。というかそれで安全なところに転送し直してくれる、ってことならボクを無視して作業を続けても良いけどね。

モモルダア-----…。

Little Mustapha-----なんで喋ってくれないんだ…?

モモルダア-----…。あぁ、やっぱりダメだ…。

Little Mustapha-----なにが?

モモルダア-----さっきあなたが言っていたことは正しかったかも知れませんね。

Little Mustapha-----全然意味が解らないけど。

モモルダア-----自分を犠牲にして多くの人を助けるなんて、実際には無理なことだってことですよ。あの長官の孫娘という人はそれが解っていたのでしょうかね。

Little Mustapha-----まだ解らないけど。とりあえず安全なのかどうか?ってことが知りたいんだけど。

モモルダア-----とりあえず、爆発はしません。本当はここで全員爆発に巻き込まれることにしたかったのですが。起爆はやめました。

Little Mustapha-----それは…多分良かったってことで良いの?

モモルダア-----ひとまずは、ってことです。暗殺者に関しては知りません。それよりも、あなたは私達の次元のLittle Mustaphaに会っても襲われなかったんですか?

Little Mustapha-----というか、襲わせるつもりだったの?

モモルダア-----いや、どっちでも良かったというか。どうせ爆破するつもりでしたから。でもなんで…。もしかして、そっちのLittle Mustaphaって泣いてるんですか?

Little Mustapha-----そうだよ。ボクのプレゼントが貰えない話を聞いたら同情して涙を流しながら、自分のしたことを後悔しているんだよ。

モモルダア-----我々の次元の人を泣かせることが出来るなんて…!これはあなた大手柄ですよ。

Little Mustapha-----またワケが解らないけど。

モモルダア-----我々は生まれてからほとんど泣くことがないのですけど、一度泣いたらしばらくは弱体化して動けなくなるんです。ということで、そこのLittle Mustapha。窃盗とか拉致監禁とかその他もろもろの容疑で逮捕する!

Little Mustapha-----なんかそんな状態の後ろ前のボクが逮捕されるのはなんだか悲しい感じだな。

モモルダア-----どうせ私は臆病で怠け者で、しかも卑怯で非情な捜査官ですからね。仕事が上手くいけばそれで良いんですよ。それじゃあ、我々は元の世界へ帰りますから、あとは二人で上手くやってください。

Little Mustapha-----エッ?そんなのズルいよ!


 なんとモモルダア捜査官は後ろ前Little Mustaphaを連れて自分の次元へ帰ってしまったようで、姿が見えなくなりました。


サンタ君-----後ろ前のLittle Mustaphaが逮捕されたようですし、これで上手くいったということではないのですか?

Little Mustapha-----理想的な展開としてはそうなんだけど、なぜか今回はボクが暗殺者に狙われているんだよ。しかももうすぐやって来るみたいだし。

サンタ君-----じゃあ、早く逃げましょう。まずはこの縄を解いてください。

Little Mustapha-----まあ縄は解くけど。でも暗殺者は時空の狭間から来るってことだし。それにここから出たらボクは警察に捕まりそうだし。

サンタ君-----警察ならボクから説明します。…といっても、暗殺者はどうにもならないですね。

Little Mustapha-----でしょ?