クリスマス特番ではウッチーとキショー君による犯人の説得コーナーが続いていました。もうすでに空き家には誰もいないのですが、外の人はそんな事を知るよしもナシです。12時が近づいて番組ももうすぐ終わりです。ウッチーとキショー君の必死の呼びかけが続く中、スポンサー名が表示されたりして、今回はこのままエンディングとなるのでしょう。
今年もある意味大成功のクリスマス特番。しかしブラックホール・スタジオ(Little Mustaphaの部屋)ではこのまま情報源がなくなってしまうのではないかと心配していました。でもふと気付くとそこにLittle Mustaphaがいて、さらにサンタ君も一緒でした。
一同(Little Mustaphaとサンタ君除く)-----ウワー!いつの間に戻ったんだ(ワン)?しかもサンタ君も一緒だ(ワン)!
ミドル・ムスタファ-----どうやって逃げたんですか?というか、まさかここに暗殺者がやって来るなんてことはないですよね?
Little Mustapha-----その辺は多分大丈夫だと思うよ。まあイケメン二人が組んだら何でも出来ちゃうよね。
ニヒル・ムスタファ-----というか二人目はどこにいるんだ?
Little Mustapha-----まあ、ホントのイケメンと、気持ちの上での…。
長官の孫娘(通信機)-----えっ、本当に?!戻ってきたって。ホントに生きてるの?
犬サンタ-----あ、ご主人様だワン。珍しく取り乱してるんだワン。
長官の孫娘(通信機)-----あ、すいません。でもあの暗殺者に狙われて生きて戻れるなんて。今回ばかりは終わりだと思っていました。
Little Mustapha-----どういうことなのかは良く解らないんだけど。外からウッチーともう一人の声が聞こえてきて、犯人っていうか後ろ前Little Mustaphaに投降するように呼び掛けてきたんだよね。もうすでに後ろ前Little Mustaphaはそこにいなくて、実際にはボクらと暗殺者だったんだけど。ウッチーじゃない方のヘンな言葉を聞いたら暗殺者が怒って帰っちゃったんだよね。
Dr. ムスタファ-----もう一人、ってキショー君のことか?あれは腹話術だぞ。
Little Mustapha-----エッ?!そうなの?なんて下手な腹話術。外国語で喋ってるのかと思ったよ。そう言われてみると日本語に聞こえなくもない、こともないか。それはともかく、12時を過ぎたけど、今年もみんな無事なんだし。あ、それから…。これは悔しいけどみんなはプレゼント貰えるんだよね。
ミドル・ムスタファ-----恐らくそうではないかと思っています。
サンタ君-----確かに、そうですね。Little Mustaphaも申請すればまたリクエストが可能ですが、今年はもう無理ですね。
Little Mustapha-----まあ良いよ。また来年に楽しみが増えたんだから。ということで、せっかくなのでここでグラスに酒を…と思ったけど、今日はパーティーの準備をしてなかったんだ。
犬弟子サンタ-----その心配はいらないんだバウ!
犬サンタ-----あ、弟子が転送されて来たんだワン!
犬弟子サンタ-----先輩これ。ジャーキー買ってきましたバウ。それからLittle Mustaphaにはスマホを返しますバウ。
Little Mustapha-----スマホ?なんで犬弟子サンタ君が持ってるの?
犬弟子サンタ-----あの空き家に落としてたのを見つけたんだバウ。それが警察に見つかってたら大変なことになってたんだバウ。
Little Mustapha-----そうだったのか。良く見つけてくれたね。…と、思ったところで、そのジャーキーはどこで買ってきたんだ?
犬弟子サンタ-----そこのスーパーで買ってきたんだバウ。代金はそのスマホのSuicaで払ったんだバウ。
Little Mustapha-----なんとなくそんな気はしてたけど。
犬サンタ-----でも怒っちゃいけないんだワン。今日はみんな良い子だったからご褒美も用意されているんだワン!
犬弟子サンタ-----ちゃんと受け取ってきたんだバウ!サンタの国のサンタの酒だバウ!
主要メンバー達-----やったー!サンタの国のサンタの酒だー!
ここでサンタの酒をもらうことが出来たLittle Mustapha達ですが、サンタ君が遅れた分を取り戻すために早めにサンタの仕事に戻りたいということなので、乾杯の前にLittle Mustapha以外にプレゼントを渡すことになりました。
サンタ君の持っている例の白い袋は別次元とつながっていて、無限に物が入れられます。その中にサンタが手を入れると、リクエストした人の望むプレゼントが出てくるのです。サンタ君は一番近くにいたミドル・ムスタファのプレゼントを出そうと袋の中に手を入れました。しかし、なかなかプレゼントが出てきません。
「あれ、ちょっと待ってくださいね」
サンタ君は一度ミドル・ムスタファのプレゼントを探すのをやめて、先にニヒル・ムスタファのプレゼントを出してみることにしました。でもまたプレゼントが出てこないようです。
「おかしいですね」
サンタ君は袋の中を探すのをやめて、別のカバンからタブレットのようなものを取り出して何かを調べていました。
だんだん不安になってきます。
サンタ君-----あれぇ…。
Dr. ムスタファ-----なにが起きているんだ?
サンタ君-----あの、まことに申し訳ないのですが…。今サンタの運営事務局のコンピュータに問い合わせてみたところ、Little Mustaphaだけじゃなくて、他のみなさんも犯罪者と判定されているようなんです。
ミドル・ムスタファ-----そんな。何かの間違いですよ。
サンタ君-----はい、それはそうだと思うんですけど。
ニヒル・ムスタファ-----つまり、今年はプレゼントが貰えないってことだな。
Little Mustapha-----フッフッフッ!自分だけは大丈夫と油断するからそうなる。
ミドル・ムスタファ-----ちょっと、人の不幸で喜ばないでくださいよ。
ニヒル・ムスタファ-----まあ、良いじゃないか。
Dr. ムスタファ-----そうだな。今年貰ってしまうと、来年Little Mustaphaが一人で貰ってるのが羨ましく思えるかも知れないし。みんなで一緒に貰う方が良いってことだな。
サンタ君-----ホントにすいません。
ミドル・ムスタファ-----サンタ君が謝ることはないですよ。
Little Mustapha-----その運営事務局のシステムってのが問題に違いないよね。
サンタ君-----そうだと思います。でも来年はきっと大丈夫ですし。システムの方も問題がないかしっかり確認しておきますんで。
Dr. ムスタファ-----サンタの国のサンタの酒があるんだし、コッチのことは気にせずにサンタ君は仕事を続けたまえ。
ニヒル・ムスタファ-----なんか先生は偉そうだな。
Little Mustapha-----でもそういうことだし、乾杯でサンタ君を送り出そうか。
こうして、今年も全員がプレゼントを貰えないクリスマスとなりました。でも彼らはまたサンタの国のサンタの酒を貰うことが出来ました。いつものようにバケツで薄めてコップに汲んで、いつもの掛け声で乾杯することになるのです。闇夜をつんざかない程度の音量で。
「(せーの…!)メリークリスマース!」
このようにして、今年のクリスマスもなんとかなったようです。ただし、何がどのようになんとかなったのか?ということを考えると、これはなかなか複雑な問題に思えてきます。本当になんとかなったのか?あるいは問題の解決が先延ばしになっただけではないのか。
考えると恐ろしくなるかも知れないのですが、Little Mustapha達は余計なことを考えないので、その後はサンタの国のサンタの酒で楽しいクリスマスを過ごしたのです。
それとは関係なく、この話を「プロローグ」と本編に分けたことでBlack-holicの記事を一回分多く出来たのですが、それでも2022年は更新が少なすぎました。ある意味では絶不調だったということなのですが、もっと頑張りたいと思っていますのでよろしくお願いします。
次回は何が何でも大特集に違いありません。
お楽しみに。