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#199 「ENTER/EXIT」 2022-12-24 (Sat)

 それは希望の光、聖なる何か、あるいは長官の孫娘の組織が秘密兵器を使って助けに来たのかも知れない!時々ミョーに前向きなLittle Mustaphaはそんなことを思いましたが、窓の外が明るくなったのには別の理由があったようです。


内屁端-----はい、こちら現場の内屁端でぇす!今年も大盛り上がりのクリスマス特番も最後のコーナーとなりました!そして、そのコーナーとは「ウッチーとキショー君で犯人を説得しよう!」ということなのです。では、早速始めましょう!えーっと、犯人に告ぐ!犯人に告ぐ!無駄な抵抗はやめておとなしく出てきなさい!

Little Mustapha-----いまさら何をやってるんだ?犯人なんてとっくにいないのに。

サンタ君-----それよりも暗殺者は驚いて動きが止まってます。今のうちに逃げましょう。立ってください。

Little Mustapha-----そんなこと言っても、暗殺者はもう目の前だけど。立ち上がったら逆に攻撃されるんじゃないの?

内屁端-----どうやら犯人からの返事はなさそうですね。それではここで、キショー君の登場です。キショー君に犯人が投降しないとどうなるか、あるいは投降したらどんな良いことがあるのか、聞いてみたいと思いまぁす!ねえキショー君、ここで投降しないと犯人はどうなってしまうと思う?

キショー君-----ニュゥーン、シュゥワウェ…、ニュリュギュッチュィト、シュレェワッタシュウゥギャニェ!

 窓の外から聞こえてくる内屁端の声に少し驚いた暗殺者は一度立ち止まって様子をうかがっていたのですが、特に問題はないと判断するとまたLittle Mustaphaに近づいてきていました。ここでLittle Mustaphaが立ち上がったとしても逃げられるような感じはありません。

 しかし、その時にウッチーに変わってキショー君が話し始めたのです。それはウッチーの下手すぎる腹話術なのですが、その声を聞いて暗殺者はハッとして窓の方へ向かいました。窓のところに立つと外からは丸見えになるので、暗殺者は壁のあるところに体を隠して顔を半分だけ出して窓の外をうかがっています。


暗殺者-----グゥォイキュン、ギュルイゥイシュウェッチュエルィン!

内屁端-----今何か聞こえたような気がしましたが。犯人の声でしょうか?でもまだ投降する気はなさそうですね。それじゃあ、キショー君。今度は投降するとどんな良いことがあるか教えてくれるかな?

キショー君-----シュリュウウィニェェ、ジュッチャウィニョニェ、ニャリュニュゥニョエェ!

内屁端-----うん、そうだよね。きっとみんなも許してくれるよね。

キショー君-----ニュリュリェシュユウェニャィョ!

暗殺者-----ウァァァ!ギュリリュウィユイィニュチュッチュレュウィニュウ!グァァアァア!


 どうやら暗殺者はキショー君の話を聞いて怒っている様子です。頭を抱えるような動作をしながらイラついて行ったり来たりしている暗殺者ですが、その隙にLittle Mustaphaとサンタ君は少しだけ暗殺者から遠ざかりました。

 でも、そんなことをしても意味はなかったかも知れません。暗殺者は明らかに怒った様子で喚き続けていましたが、最後にLittle Mustaphaの方を指さして何かを言いました。知らない言語なのでその内容は解りません。暗殺者はそのあとで何かの装置を取り出して操作しました。するとそこから暗殺者の姿は消えたのです。


 どうでもイイですが、Little Mustaphaは暗殺者の喋る言葉がちょっとスターウォーズに出てくるエイリアンの言葉っぽいと思って、これがスターウォーズコラボじゃなければ良いな、とちょっとだけ思っていました。

Little Mustapha-----ねえ、もしかしてサンタ君ってさっきの暗殺者の言葉が解ったりするの?

サンタ君-----いや、あんな言葉は初めて聞きました。それよりもどこに行ったんでしょう?

Little Mustapha-----解らないけど。なんとなく助かったような気がするんだよね。最後にボクに向かって何か言ってたけど。あの様子からすると、あの時に言ってたのは「今回は見逃してやる」とか、あるいは「命拾いしたな」とかそんな感じだと思うよ。

サンタ君-----ホントですか?

Little Mustapha-----いや、そうあって欲しい、ということだけど。

サンタ君-----まあ、前向きに考えるのは良いことだと思います。それよりも、どうしますか。あまり長くいると警察が踏み込んでくるかも知れませんし。

Little Mustapha-----そうか。でもウッチーに説得されて出ていったみたいになったら、厄介なことになるんじゃないかと思うけど。


犬弟子サンタ-----その心配はないんだバウ!

Little Mustapha-----あ、犬弟子サンタ君じゃないか!

犬弟子サンタ-----危ないところだったバウ。でも暗殺者はもう遠くに行ったみたいで、匂いはしなくなったバウ。

サンタ君-----それは良かったです。

犬弟子サンタ-----それよりも、この家の裏口から出ると、金網の柵に穴が開いてる場所がありますから、そこから逃げられるんだバウ。外に出たら我々の組織のものが安全な場所に転送してくれるんだバウ。

Little Mustapha-----スゴい活躍だよ、犬弟子サンタ君。犬サンタ君なんていつも部屋でくつろいでるだけだからなあ。

サンタ君-----とにかく、早く逃げましょう。ボクもあまりテレビとかには映りたくないですから。

Little Mustapha-----まあ、そうだろうね。

 空き家の裏口から外に出ると、犬弟子サンタ君の言ったとおり金網に穴の開いた場所がありました。破れた網に引っかからないように気をつけて外に出ると、少し先にそれっぽい格好をした組織の人がいて、彼らがLittle Mustaphaとサンタ君を安全な場所に転送してくれました。