07. FBLビルディング
やる気のないモオルダアはペケファイル課の部屋ではなく技術者のいる部屋に来ていた。技術者とはモオルダアと同じくバイトの…誰だっけ?(登場人物紹介を見たら千堂麗流 [センドウ・レル] と書いてあった!)である。彼はいつも特にやる事もなく仕事をしているフリをして時給をもらっているので、時々モオルダアが遊びに来ても特に迷惑ということでもない。
モオルダアは技術者の部屋にあったプレステ4に興味を持ってさっきからいじっている。これは技術者が他の職員が帰った後の残業時間にコッソリ遊ぶために置いてあるようだ。だから机の下に隠された小さな画面に映像を映すので、せっかくの高画質も意味がない気がする。
技術者は先ほどからパソコンを使ってなにやら調べているようだ。モオルダアからスケアリーが梅木に興味津々だという事を聞いていても立ってもいられなくなっている、という感じだ。
「うーん。まあ普通の人か…」
技術者はFBLのパソコンから梅木の事を調べていたようだった。
「まあ、そうだよね。家はかなり怪しいんだけどね」
モオルダアはまだプレステ4で遊んでいたのだが、そろそろ飽きてきているようだった。
「そうなんですか?でも家を調べても意味が無いな」
「まあそうだよね。ところで梅木って人の職業は?」
モオルダアは今更そんなところを気にしているが、今回の人形事件には全く興味が無いのだろう。
「犬のブリーダーだって」
「へえ」
職業を知ってもやっぱり全く興味が湧かないモオルダアである。さらにプレステ4にも飽きてきたようで、持っていたコントローラを放り投げた。
「あっ、ちょっと気をつけてくださいよ」
「なにが?」
「なにが、じゃなくて。ゲームのコントローラっていうのは、イラッとして投げつけても壊れないのに、そうやって軽く放り投げると壊れたりするんですよ」
「ホントに?!」
「ホントですよ」
一体、この二人は何をやっているのか。